2020年1月27日月曜日

S、Thailand for Asian championships

人生最高の灼熱、タイでのアジア選手権。早朝から夕方まで日陰のないフィールドに立ち続け、体温が限界を超えて熱中症で倒れ込んだあの5年前の記憶は今でもリアルに思い出せる。
今は1月だが、タイは乾季で気温が30度超えの快晴が続いている。TEAM BRIDGESTONE Cyclingはこのタイ合宿で本格的なシーズンスタート。正月早々にタイへと渡った平野選手に沢田選手と自分が合流し、チェンセーンでの対アジア選手権合宿を開始した。
昨年7月にレバノンで開催された2019アジア選手権から半年。オリンピックイヤーのせいなのか、2020アジア選手権は2月初旬という異例のスケジュール。既に東京オリンピック出場がかかった大陸枠は2019年で決定(中国)しているため、この2020選手権は純粋なアジアナンバーワン、個人のオリンピック代表につながるUCIポイント争いが焦点となる。特に東京オリンピックの開催国枠がある日本人選手にとっては、個人のオリンピック代表争いで重要なレースになるため、大会勝利にかける思いは強い。
一方、ナショナルチームの現地入りが開幕ギリギリになり事前対策が何もないこと、日本とは対極の気温差・環境差であること、コース自体がタイ選手権で既に完成されていること、から早めに現地でトレーニングを重ね、充分な体調と態勢をもってレースに臨むことにした。チームライダーの二人も、昨年のレバノンでのアジア選手権終了後、早々このレースで勝つことを宣言してきた。よってこの合宿はTEAM BRIDGESTONE Cyclingがアジアナンバーワンを獲得することが目標になる。
タイ北部のチェンセーンはメコン川沿いの静かな街。ミャンマー、ラオスとのゴールデントライアングルで有名な場所でもあり、700年前のチェンセーン王国の遺跡が街のあちこちにある。かつての麻薬密売地域の面影はなく、今は穏やかで暮らしやすい街になっていた。(2014年のタイ大地震の被害がまだ残っているが)
レース会場は街中心部からクルマで20分。チェンライからだと50分。タイの田園風景を模した綺麗なカフェがあるゴム栽培の山を利用したエリア。コースは人工的。ゴム栽培の管理道を使いながらも、トレイルを大きく開拓している。アップダウンも激しく、うねるようなコーナーも多い。路面は強乾燥で超微粉末の赤土。パフパフでシューズの中はすぐに土だらけになる。コーナーも一見するとバンプにタイヤを当てることができそうだが実際は簡単に踏み抜けてしまう。見た目は丁寧な竹細工のコーナーラダーは直ぐに破れる金魚すくいの紙のようなもの。何ともアジアらしい。
でもこのコースづくりに対する熱い思いはとてもよく伝わってくる。あまりに高温乾燥しているため、土を盛り削ることは容易ではない。膨大な作業の繰り返しがここにある。2020アジア選手権は、地元の多くの努力によって無事に満了するに違いない。作業リーダーからは夕食の誘いがあった。お世話になっているのは自分たちなのに。
合宿は選手ごとの練習メニューを優先しながら、コースへの理解度と攻略を行うこと、機材セッティングを定めることが中心となっている。アップダウンに加えて凹凸も非常に多く、走りやすい路面ではないため、選手個々の得意なセクションを精確に捉え、最速ラップの走り方、リスクマネジメントを繰り返す。カラダでコースを覚えながら、厳しく自分を追い込む練習が続く。
チームのこの二人ならワンツーを達成する力は十分にある。あとはそれを本番当日に爆発するだけ。
「勝つと決めて勝つ」こと。選手たちの躍動を信じて。どこにいてもココロは一緒にフィニッシュまで駆け抜けようと思う。

明日から自分はシクロクロス世界選手権日本代表としてスイス・チューリッヒへ。世界一を決める張り詰めた空気の中で日本代表選手のベストパフォーマンスに尽くしたい。







































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