2019年12月8日日曜日

O、Japan Cyclocross national championships 2019

全日本シクロクロス選手権2019大会が終了。
結果、TEAM BRIDGESTONE Cycling沢田選手は5位でフィニッシュ。
序盤から積極的に先頭パックでレースを進め、中盤はガマンの展開。後半はペースアップを図ろうとプッシュしていた矢先に前輪のパンクに見舞われてしまった。しかし、どんな差になろうともファイナルラップまで諦めない走りは観客を沸き立たせ、先頭とのラップ差を縮めながらフィニッシュ。次の日曜、今シーズン最終戦となるマレーシアでのMTBアジアシリーズファイナルが楽しみになる走りだった。
この日、高いパフォーマンスを魅せる沢田選手と共に快晴の全日本を駆けたXC6Dはトップエリートの中で唯一のアルミフレームだった。コンポーネンツはシマノGRX Di2。スタートから6名の先頭パックを形成し、単独になってもファストラップを刻む走りは充分に高い戦闘力を示した。

四国での全日本初開催は愛媛県内子町。MTBで八幡浜には何度も訪れているが、内子町での経験はビジネスのみ。よくある山間の河川にある古い町並み。豊かな自然とゆったりとした空気に包まれる古い街並みだという記憶。
チームとしては、平野選手がアジアMTBシリーズ最終戦に備えて既にマレーシアに入ってトレーニングを行っている。国内では沢田選手がこの全日本CX後にマレーシア。2019年のラストレースを前にこの全日本CXを良いコンディションで迎えることが必須目標。当然、ナショナル選手権である以上、勝つためにレースする。
金曜日、自分は新聞社の取材と撮影を終え、松山へフライト。沢田選手には自分が行くことを前日まで明言しなかった。これはレース当日までの準備とアプローチを全て選手が考えて行動することになるが、オリンピックに向けて最高のパフォーマンスを獲得しようとするとき、これは選手に必ず求められる要素。いつもと違う環境、不足や不安も、自らストレスフリーな状態へと変化させられる力は大きな武器になる。その上でレースでは最大限のチームサポートが加われば良い。

会場には、土曜午後の公式トレーニングを待つ選手たちが集まっていた。11月のJCX飯山大会で走ったライダーたちとの再会。飯山から1か月。たった1枚のナショナルチャンピオンジャージを着るために選手たちは出来る全てを尽くしてきたに違いない。誰もが清閑な良い顔をしている。
コースは内子町役場前の古い河川敷。県と町がこの大会を支援し、重機まで持ち込んで整備してきたという。杭打ち保守まで全て行政職員。フェンスは野球用の防護ネット。今年のような水害が多発したタイミングにも関わらず、堤防ノリ面を何度も走らせるなど強い思いの入ったコースが出来上がっていた。
地形的には2D。堤防に登るコンクリート階段以外に高低差は殆どなく、舗装路も長い。泥区間や砂場はないが、古い堤防のためレースが進むにつれて鋭利な岩が所々に露出。河川ならでは強めの風があり、コーナーの細かいレイアウトと芝路でのパワーラインでサーキットが組まれている。堤防を直登する激坂も乗車できるため、恐らくパックでロードレースのような展開になることは誰しも予想したに違いない。
天気は快晴のドライ。気温15度とシクロクロスらしくない?!環境。ワンミスも許されない高速サーキットが更に速くなり、厳しさが増す。
14時定刻。エリート69名が一斉にスタート。アスファルトの直線では肩を当て合いながら各選手がホールショットを狙う。
沢田選手は6名の先頭集団に位置して周回に入った。1周回は6分30秒前後。予想通りの展開。まるでオリエンタル急行のような長い列車が続く。
2周目には早くも先頭集団6名が抜け出し、7位以下をどんどんと離していく。コース中程で1名の選手がバイク交換で最初のピットイン。集団は沢田選手を含む5名となった。
3周目、ホームストレートは向かい風。先頭交代しながら集団は速いペースを維持。この時点で単独になるのは不利なことは周知のこと。各選手は互いをけん制し合いながらレースを進めた。レースは9周回がコール。
4周目、先頭のペースが上がり、走り難いゴーストップの中で沢田選手はパックから離れていく。それも前の選手に数秒、数メートルなのだが、その差を縮めることは中々難しい。5番手。80%ルールで出走者の半分程がレースを降りて行く。
5周目、単独走行になった沢田選手は一旦自分のペースとリズムにリセットし、後半の追走に備えていた。前には4名のパック、後ろには6位の選手が見える位置。リズムが戻り、ペースアップをはかった矢先に前輪がパンク。スピードの上がるホームストレート前の激坂をパンクした状態で登坂。大きな歓声があがった。
6周目、先頭集団のペースは一旦落ち着いている。バイク交換した後の沢田選手はその差を10秒近く縮めてきた。この周回の全体ファストを叩き出している。集中も切れていない。残り3周回を考えると先頭を捉えることのできるギリギリの状況。
7周目、沢田選手の追走ペースが更に上がる。全日本という舞台、大歓声の中で、諦めるという選択肢はない。沢田選手はプッシュを繰り返した。しかし先頭集団のラップも再び上がりその差はイーブンとなった。特にオフロードで迫り寄る走りをしても、向かい風の舗装路での集団スピードに及ばない。
8周目、先頭パックが崩れていく。ここで2選手が勝負に出てきた。結果としてゴールスプリントとなった二人が集団を切り離していく。3番手、4番手の選手は余裕がなくなり小さなミスを併発して集団から零れていった。沢田選手は4番手の選手より速い区間ラップを刻むが、その距離は大きくは縮まらない。
9周目、優勝争いは完全に2選手に絞られた。スプリントに持ち込まれるか、逃げるかで勝者が決まる展開。一方、沢田選手を冷静に鑑みれば、勝利には絶望的なタイム差だが、沢田選手は自分でレースを決めようとしていない。最後まで諦めずに攻め続けた。観客もそれを求めて大声援を送っていた。路面に冬を感じる長い影が映る。沢田選手は出し切っての5位フィニッシュとなった。

今回も沢山の応援、支援をありがとうございました。
TEAM BRIDGESTONE Cyclingはこの日のことを決して忘れません。必ずやリベンジします。
そして、来週のアジアMTBシリーズ最終戦マレーシアに向かい、今シーズンのレースを締め括ります。
最後まで応援のほど、よろしくお願いいたします。






















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