2020年2月4日火曜日

S、Cyclecross World Championships SWISS

スイス、チューリッヒでの2020年シクロクロス世界選手権。
日本代表としてシクロクロス世界選手権に来たのはルクセンブルク大会以来。4年ぶりになるだろうか。ナショナルチームの組織改革が行われ、明確なビジョンの基にスタッフも一新してのスイス大会。個人的な繋がりの選考、趣味・ファンの延長的な志向、無資格スタッフの自薦参加、など日本を代表するチームとしての取り組みがされていなかった従来型を180度変え、ジュニアから強化育成して厳しい世界へとステップアップするための改変。その最初のシーズン。今大会から正式採用になった女子ジュニア選手を加え、フルラップできるカテゴリーとその実力をもつ選手に限定しての遠征となった。
お互い知ってはいても、普段活動を共にしない選手たちとメカニックとコーチの立場で接するには時間が必要だ。ホテルでの食事、メカニックルームでの会話、会場での些細なひと時、クルマでの移動時間がとても重要になる。ジュニアとの年齢は親子の差があるから、何となく父親的な言葉使いと遠慮が強いられる。。それでも8日間も一緒に過ごせば、そこには大きな信頼と冗談が通じるようになり、お小遣いを迫ってくる関係まで出来上がり、このチームで再び世界に挑戦したくなってくる。
毎年、現地ではベルギー人の3名の熟練スタッフが日本チームを支えてくれる。彼らは日の丸を胸に、献身的に、合理的に仕事をしてくれる。遠い日本からの圧倒的に欧州に劣る機材や装備不足をカバーし、バイクラック付きのトラックレンタル、機材の運搬、ウェアの洗濯と乾燥、第一段階の洗車は彼らの仕事だ。こちらからの指示に的確に対応し、メカニック作業や選手とのコミュニケーションに集中できる環境は日本人だけでは到底成し得ない。今回も12台のバイクを一人で担当したが、彼らと彼らの装備がなかったら、毎日徹夜でも間に合わない状態だった。彼らは日本チームの重要な戦力になっている。感謝したい。
そして、共に世界を転戦する仲間がいることが嬉しかった。特にイングランドチームのメカニックは過酷なMTBレースで何度も苦労を共にした仲。トップ選手のタイヤ選択やエアボリュームも隠し事なく情報交換できる。ベルギーのプロコンチネンタルチームのスタッフとしてもどうか・・・と誘われたり、社長出勤だな!と叱咤されたり。。
レース結果はもう既に多くのレポートが公開されている通り。日本チームはジュニアが全員フルラップ完走し、U23男子もファイナルラップまで走り抜いた。エリート男子はスーパースターのマチューがスタート第一コーナーから誰の背中も誰の泥も浴びずに世界一を連覇した。ただ、彼の世界一の走りを間近に見ていると画面では分からないとてもシンプルなことに気づいた。
 ・とにかく基本的なライディング技術に忠実
 ・全く派手さがないが、狙ったラインを決して外さない
 ・タイヤの路面コンタクトの音がとても小さい
 ・後ろを見ていない
そして、レース10分前、チームピットからスタート地点に向かう際に追いかけてきたファンの子供が転びそうになるのを彼は心配そうに見守っていた。
それはMTB世界王者ニノ・シューターも同じ。ワールドカップで背後に接近してきたライバルとのファイナルラップでも、遠くから声援していた子供たちへ受け取ったばかりのボトルを投げ入れていた。
やはり世界一の選手は人間性も優れているのだとあらためて感じた一面。
世界で一番を決める場所。
この場所に再び立ち、選手のために全開で尽くせるよう、世界を驚かせる日が来るよう、自分も進化させなきゃいけない。そう考えながら次の遠征に向けてフライト。
沢山の友達へ。 ありがとう!


































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