T、CJ1富士見パノラマ決勝
CJ1富士見パノラマが終了。
結果、アンカーは沢田選手がスタートからの圧勝で4連勝を飾り、平野選手は6位でフィニッシュ。
これにより最終戦を待たず、沢田選手が初の2016シリーズ個人総合優勝を果たし、チームは4年連続でゼッケン№1を獲得することに成功した。そして、最終戦でのプレミアチーム総合制覇に向けて有利な状況になった。
2戦連続での雨泥コンディションから一転、ここ富士見は10月の快晴に包まれ、XCコースは完全にハード・ドライ。八ヶ岳は秋色で、特に夕陽があたると真っ赤に染まり、あらためて富士見パノラマの環境が素晴らしいことに気付く。
朝夕の気温は一桁台と低いが、日中は半袖で活動できるそれ。どんな環境でも強さを表現しなければならないが、やっぱり晴れはキモチイイ。
バイクはドライ用のオイルを2種類投入してチェーンを整え、BBはガレージで余分なオイルを削除して回転抵抗を減らした。タイヤのエアは選手の好みでセットするが、スタート直前までベストコンディションを確認し続け、サイドにはシリコンコーティングでカットリスクを軽減する。すべてのボルト類、レリーズ、バルブを納得のいくまでチェックする。メカニックとしては特別ではないごく基本的なこと。レーシングバイクは生き物で、常に状態が変化していることを知ることが重要だ。
今季、沢田選手はレース前のコンディショニングに飯山でのトレーニングを積極的に導入しているが、練習中はこれまでにないカラダの重さを感じていた。しかし、それは2週連続レースでの疲労に負けているのではなく、パワーが増しているために1枚ギアレシオがパワフルになっているためだ。カラダがよりモアパワーを求めて踏んでいる。
6周回で争われた富士見。スタート一発、アンカー2選手はストレスなくコースイン。これまでで一番緊張していた様子の沢田選手には「1周回目はトップに立つ意識は不要。落ち着いて自分の走りをすればいい。時が一番強い。」と話した。平野選手には「とにかく元気よく、気持ちよく、強く行こう。大丈夫だ」と。
2周目、フィードから目を凝らす。見えてきたのは2位以下を大きく引き離した沢田選手だった。平野選手は3位パック。アンカージャージが光の強い富士見で躍動した。
結局、沢田選手はライバルを圧倒するエネルギッシュなダンシングとシッティングでその差を広げ続け、二人で約束した目標に向かって一切手を抜かない走りで今季最速の圧勝でフィニッシュ。(彼女が応援していたからかも!) もはや彼をハラハラして見ることは必要なくなった。
平野選手は、今の彼に出来ることを出し切っていた。残念ながら彼らしいブーストのかかった走りがスポイルされてしまっているが、基本的なパフォーマンスが高いので、常に上位争いを展開できる。彼が表彰台を狙う位置で走ることで、まわりの選手に圧力が伝播し、結果として沢田選手を他チームが容認せざるを得ない優位な展開をもたらしている。
これで残すところあと1戦。山口県下関での戦いで全ての2016ランキングが決定する。
アンカーはスポンサー、サプライヤー、ファンと共に、全力でこのオリンピックイヤーを締めくくりたい。
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