T、CJ1最終戦決勝
本州最南端で行われた2016年CJ1XCO最終戦、山口県下関の深坂自然の森大会が終了。
結果、アンカーは沢田選手が1周回目から積極的にレースを運んで今季5連勝。アンカーはシリーズ個人総合優勝、プレミアチーム3年連続日本一というチーム目標を達成した。
そして、この成績は、選手、スタッフ、家族、友人、スポンサー、サプライヤー、ファン、全ての応援して頂いた方々に与えて頂いたもの。心から感謝し、一緒に素直に喜びたい。
エリートレースはトップ6が最前列に並ぶスタート。2分後にジュニアがスタートする7周回。コースは抜きどころが少なく、タイヤのカットリスクが高い若く鋭い岩路も多い。登坂は短く、小幅な川谷前後に極端なキャスター角があり、シフトを間違えると失速する。一方、しっかりコースを記憶し、見極めればリズムのよいスピーディーな展開となるレイアウト。
チームは前日の試走段階から、レース当日は風が強くなること、モアレーススピードになる場合のリスクなど、あらゆる想定を行いながら、出来うる準備をいつもの通りに進めた。
こうしたコースではフルサスバイクが圧倒的に有利と言われるが、XR9はスペシャルチューニングしたAXONフォークと、信頼性抜群のDi2システムが相俟って、何ら引けをとらないセッティングが可能になる。破損リスクが非常に低いシマノのアッセンプリ、既に高い評価のあるグリーンドライブが駆動系統を最適化してくれる。
選手が機材に身を任せることができるのも、アンカーのアドバンテージ。選手とスタッフの信頼感も強く、互いを尊重し合うことが出来る、ハードとソフトが揃ったチーム体制がある。
14時定刻。号砲と共にアンカー2名はスムーズにスタート。初回のフィードに現れたのは予想通り沢田選手とスペシャライズド平林選手だった。早くも3位以下を引き離す序盤から激しいトップ争い。実質上、この時点でこの二人の力勝負になることが決まる。
平野選手は3~5位パックで展開。海外でのリフレッシュ後のレースとしては順当なポジショニング。パワーではなく、体調を優先したベテランらしい経験豊富な走り。しかし、不幸にも中盤にリムを岩にヒットしてパンク。フィードまで冷静に自走し、ホイール交換してリスタート。最終戦の表彰台で彼の笑顔を見ることが出来なかったのは残念だが、アンカーに平野選手がいることで、レースが引き締められ、応援が飛び交う。
沢田選手は、下りで速い平林選手を後ろに従え、登りで引き離す作戦に出る。パワーもバイクも反応はいい。
しかし、平林選手も最高の体制で初優勝を狙う力強い走り。中盤のスプロケットのトラブルで20秒をロスしたが、それを最速ラップであっという間にカバーしてきた。ラスト2周回では、特に下りでファストラップを連発し、フィニッシュまで緊張感のあるレースを盛り上げたが、沢田選手はそれを冷静に判断し、最後まで自信をもってファイナルフィニッシュ。両手を上げ、歓声にこたえた。
でも、フィニッシュ後、そこにはファイナルの喜びに浸る笑顔はなかった。直ぐに顔は引き締まり、今日のレースを振り返り、課題を探り、自分と対策を交わす。彼の到達点はここではなく、既にこのレースが2017シーズンに向かうスタートと位置付けしているからだ。
表彰式。表彰台ではチーム全員と家族、スポンサー皆であがり、チャンピオンTシャツと共に記念撮影となった。2016シーズンの苦しさの全てが労われる時間。このために、喜びのために協力してくれた全てにあらためて感謝したい。
そして、山口県下関の深坂自然の森公園で開催されたこのレース。過去最遅の日程で前レースから1カ月があき、チームメンバーのコンディショニングも非常に厳しいスケジュールになった。世界的なセオリーから見ても超長期間なシリーズ。エリート男子も40名程のエントリーとなり、観客もメディアも殆どおらず、表彰式も閑散としていて大会運営に疑問や課題を投げ掛けている場面も多くみられた。
しかし、地元らしい飲食等の出店やサービス、大会実行メンバーの準備範囲の広さ、コーステープが行き届いた真面目なコース設定など、出来る精一杯の努力がよく表現された大会だった。今季のCJシリーズの中で最も愛情のこもった準備がされた大会であると言っても過言ではないと思う。レースフィールドも欧州とアジアを足して割ったような、まだまだ進化することの出来る素晴らしい環境で、このようなローカル地域だからこそ、MTBスポーツがより普及し、もっと多くの人が楽しみを共有化できたら素敵だと思う。
ゼッケンNo.1。
BRIDGESTONE ANCHOR Cycling Teamは進化して、もっと強くなって2017シーズンを迎えたい。
今日はそのスタート。
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