W、Coupe du monde XCO La Bresse FRANCE
今季ワールドカップ最終戦、フランスLa Bresseに向かった。
ここはかつてウィンターシーズンに訪れて以来20年ぶりの場所。あのMTB界のレジェンド、アブサロンの地元でもある。
今回は日本代表チームを引率する立場で、世界選手権に向けた最終レースのために渡欧。選手をより良い形で世界一決定戦に送り出すことが使命となる。メンバーは選手5名(エリート男2名、U23男3名)、スタッフ2名、合計7名の体制。日本はかなり暑いみたいだが、ここは最低気温10度以下、最高気温20度以下の避暑地であり、遠征期間中は雨もあって飯山の晩秋の様相だった。
世界選手権を2週間後に据えたここは欧州。しかもワールドカップ最終戦フランス。他のワールドカップやUCIレースとは異なる非常に強度の高いレースが展開された。代表チームはレース5日前にフランスに入り、レース会場から近いエリアにアパートを構え、生活・食事・トレーニング・レースを一貫した体制で行った。
天候は週前半の晴れた夏日から一転して週後半は雨模様となり、最高気温が10度台の寒い天候となった。レース当日は快晴に恵まれたが、前日までの降雨によって、部分的にウェットでルーズな路面となり、造り込まれたレイアウトも相まって乗車できない箇所が多発し、テクニカルなコースに拍車がかかっていた。
結果としてエリート、U23共に完走者1名、UCIポイント獲得1名という成績となったが、世界最高峰の環境で戦い得るフィジカルとメンタル両面の課題を明確にしていくことができた。課題を一つずつ解決していくことでしか世界に通用しない。今回のチーム体制はその解決策のひとつとなり、海外UCIレースをキャリアの異なる代表選手の協同活動を継続的に進めることが重要であると認識。
U23男子、10:15、スタートループ1周+5Lapのレース。
このレースで一度もトップを譲らず圧勝したFAGERHAUG
Petter(NOR)選手を先頭に122名が一斉にスタート。チーム3選手はスタートへの反応は良く、ジャンプアップを展開する積極的な走りが見られたが、本コースに入ると林間に多用されたシングルトラックでの大渋滞で動きが停滞。バイクを降りて押す場面も多く、フィジカルが強くテクニシャンな欧州選手に圧迫されて順位を上げることが中々できない状況になった。
レース中盤では路面が徐々に乾燥し、自分の走りに流れができ、縦に長く伸びたパックの中でプッシュを繰り返した。しかし、先頭とのラップ差は周回ごとに拡大。3名ともスタートより順位を落としながらも諦めない走りをみせ、結果として平林選手がトップから+11 :10の71位完走、北林選手、小林選手はマイナス1Lapとなった。
成績としては芳しくないが、全体としてかなり速く強いレース展開の中で完走したこと、マイナス1Lapであったことは次に繋がる展開であったと言える。
エリート男子、14:50、スタートループ2周+5Lapのレース。
当初予定されていたループ1周+6Lapが当日の朝になってコースコンディションに配意して変更された。大勢の観客で会場の盛り上がりが最高潮に達した中、118名の選手が一斉にスタート。落車もなく大きなパックとなってレースが始まった。先頭はこのレースを圧勝し年間チャンピオンを獲得したSCHURTER
Nino(SUI)選手。山本選手は50番台、平野選手は80番台でスタートループを終え、本コースへと入った。
山本選手は終始積極的な走りを魅せたが、前半は中々順位を上げることができない。平野選手はスタートが非常に良く、10名程を一気に抜いてジャンプアップしたものの、本コースに入ってからの走りに精彩を欠き、順位を下げてしまう。
中盤に入るとパンクやチェーン切も発生しはじめ、順位に変動が生まれやすい状況となった。山本選手はプッシュを繰り返し順位を40番台まで上げていく。一方、非常に速いレース展開の中で平野選手は彼本来の走りを発揮できないまま80%カットとなり、マイナス3Lapでレースを終えた。
終盤、パックが崩壊し前後にライバルがいない状況になっても山本選手のプッシュは続いた。結果としてトップから+8 :36の43位完走を果たした。
このレースでは現況のセルフコンディショニングの違いが成績として現れたものとも言える。このワールドカップが世界選手権に対して最後のレースであり、残された時間で最高の状態をつくって挑んで欲しい。
この遠征に際し、多くの理解と協力があり、多くの応援を頂いた。
深く感謝したい。
明日には日本に一時帰国し、9月から再び海外遠征に。
今シーズンはまだまだ終わらない。。。
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