2018年8月9日木曜日

W、Stop

今年の大一番が終わったという喪失感のようなものを感じたのは僅か1日だった。やらなきゃなならないことは多い。次に向かって立ち止まっている暇はないのだが、自分の中にいる誰かが「止まれ」と言っていた。
学生時代から社会人になっても続けた10年間、新潟直江津港から東京までの300㎞超、日本列島を一晩で横断するセルフトライアルの耐久ライドを思い出す。
当時は国道も今のようなバイパスがなく、街中を通るため信号も多くゴーストップを繰り返した。自己認定ではあるが、自転車専門雑誌に走行記録が投稿され、一種ブルベのような記録競争も存在した。
初めて走ったときは、日本一の記録を塗り替えようと体力に任せて休憩なしで走り続けたのだが、結局熊谷市あたりで身体が悲鳴を上げてダウン。フィニッシュはしたものの自分の熱い思いとは遠くかけ離れた悔しい思い出になった。
それからというもの、自分は余裕のある時ほど立ち止まる大切さを知った。マージンを稼ぎながらギリギリまで耐えるのではなく、「まだ行ける」と集中の先にある欲望を感じたら一旦「止まる」こと。この回数を増やすほどに記録は伸び、当時の日本最速記録(だろうと信じているけど)10時間ジャストを叩き出した。
その走りの中、どうして自転車にブレーキがあるのだろうと考えていたことを思い出す。自転車のブレーキは「止まる」ためにあるのではなく、誰よりも「速く走る」ためにある。そう、ブレーキの性能が高いほど安全で速い。相反する力こそが大切なのだと気付いたあの日から何年経ったろう。

再び同じ過ちを繰り返してはいけない。
今日は広島に続いて長崎に原爆が落とされた日。
戦争は止めなければならない。







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