2018年9月1日土曜日

W、Backstage for World Cup

UCI MountainBikeWorldCup。3月の南アフリカから開幕し、先のフランスで閉幕したが、ワールドカップの裏舞台については、レーシングストーリー、メカニックの作業風景や機材、マネージャーのコメントは記事にされるが、そこに至る裏側までは伝わらない。。。
WCは一発大当たりしやる!生き残ってやる!全開バリバリ!が繰り広げられる世界で最高にハードな場所。ほんの少しのズレやミスがあったらあっという間に切り捨てられていく過酷な場所だ。選手層も信じられないほどに分厚く、バイクに対する社会の目もまるで違う。
欧州ではU23までに有力チームと契約できなければ、どんなに有能な人材であっても選手を引退し社会で働いて税金を払う。WCトップ30に入る実力があってもプライベートチームとして親や友人がサポートに入る姿も多い。エリート女性はトップ10でもテントのない自分の車から試走に行く。シングルゼッケンの選手でもフィードに荷物を引き取りに行く。2世代前のフレームやフォークなんてザラにある。タイヤのノブもボロボロだったりする。スペアホイールは選手が直前まで管理し、自らスタート前にスタッフに託す。自分がレースで走らせるかも知れないのだから。ローラー台も使い終わったら選手が直ぐに畳んで車に持ち込む。盗まれたら今後の遠征に影響するのだから。新型XTR、EAGLEは世界で称賛されるレベルの選手が使うべき品質なのだと分かるだろう。あのレベルでさえXT、11Sだ。
UCIエリートチームは世界最高峰のチーム体制が約束された選手だけが集う。そして、その生活スタイルは研ぎ澄まされ、僅かな無駄も惜しみ、生き残りをかけて凌ぎを削っている。そして、そこに到達しようとする選手がどんな行動をし、どんな生活を送っているのかを学ぶことも必要だろう。弱い選手、弱いチームに所属する人ほど、身の丈以上の高い目標を掲げる反面、生活も環境も他人任せ、機材任せになっているように思う。
日本では「思いは通じる」「自分を出せば結果はついてくる」「世界のトップになりたい」「勝てるように頑張る」「次はもっと」「オリンピック目指して」といったコメントが氾濫している。気持ちはとても良く分かる。
でもどんなに日本で練習を重ねても、どんなに素晴らしい機材を手にしても、レースへの厳しくも精度の高いアプローチが確立できなければ、決して高い目標を達成することは出来ないだろう。
それは挨拶する、しっかりと食事する、洗濯物をたたむ、会話する、きちっと聞く、学びとる、感謝するといった日常生活の基本からも求められる精度だ。その宿舎をどう快適にできるかを考えて行動することだ。何が自分のリスクとなってくるかを考察することだ。
日本はとても裕福で、弱い国。「そのレベルで機材のスポンサーシップがあるの?」「契約金まであるの?」「みんな儲かるの?」「あなたの存在価値は?」「ナショナルチャンピオンジャージって売ってるの?」「日本はクレイジーなんだ」と思われていることを知るべきだろう。要は日本は世界から舐められている。
残念ながら今日のJAPANチームは世界で対等に戦えるレベルにない。本来、ナショナルチームは世界に実力行使できる日本人の最高レベルで構成され、2020東京を控えて最高潮に強いチームであって欲しい。現地に行ってから短期合宿し、教育されているようでは世界に近づける訳がない。他人任せでは進化しない。
世界をギャフンと言わせるには世界に飛び出すしかない。日本人で複数のワールドカップを戦う選手は極一部。UCIチームのブリヂストンですら年間UCIレースは20戦程。世界を狙う意思があるのなら、海外の超絶な厳しい環境に身を投じて、傷だらけで学びながら例え1㎜でも確実な進化を果たさなければ強くならない。

欲しいものは買おう、それが自分を強くするならば。
ガマンしよう、それで自分に勝てるなら。
感謝しよう、それが必ず支えとなる。
自分は想像以上、覚醒させられるはずだ。

TRKWorksは投資する。本気の人材だけをサポートしていく。

<追伸>食材購入のために行ったスーパーに置いてあった地元新聞。選手が開くと偶然自分とそっくりな人を発見。。。いつの間に。

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