2017年8月16日水曜日

R、アメリカ・ウィンダムUCI-HCレース

ワールドカップ・カナダから800㎞、アメリカに陸路で入国し、NY州ウィンダムで行われるUS/PRO-XCTに参戦した。このレースはUCIハイクラスであり、各選手権に次ぐ高ポイントのレース。アメリカ本国は無論、オーストラリア、カナダ、コスタリカ、コロンビアなどからワールドカッパーや準ワークスライダーが集う。
日本では既にUCIポイントを獲得できるレースがないため、ワールドカップ同様、出来る限り高いポイントを獲得することが目標になる。ゼッケンは沢田選手№10、平野選手№11と配列では有利な位置が確保された。
ウィンダムはWCも行われていた古典的なコースレイアウトの会場。(2019WC最終戦になることが決定している)スキー場を縦に使った登坂と下りの長いタフなコース。適度なロックもあり、スピードが増すごとにテクニックを要する簡単ではないハードアレンジ。スタートループ+5周回。
アメリカに入ってから連日快晴が続いていたが、レース前日は大雨となり、レース当日は曇りと薄日。路面は湿っているが、スリッピーにはならない状態。心配は鋭利なロックによるパンクと見え難い段差でのトラブル。選手とはあらゆるリスクについて情報交換しながら試走とバイクセッティグを行った。
しかしここはアメリカ。ハイクラスとは言え、ローカルの緩く陽気な空気の中で落ち着いたスタート。優勝筆頭候補はゼッケン№1のDAN(#BECANDDANAUS)。そしてキャノンデールやBH、トレック、スコットからも有力選手、テストチームが送り込まれ、南米からもオリンピアンやナショナルチャンピオンが揃う。欧州なら殺伐しそうなメンバー構成だが、スタートループは興行的なラップで本コースに流れ行く。アンカーの2選手は、ループの集団中ほどに位置し、沢田選手はプッシュして12番手前後の位置取りに成功。平野選手はその背中が見える位置で1周回へ。
一方、DANを含むトップエリート達は10番手付近で落ち着き、WCのような最初からプッシュしまくる動きは見られない。
2周目、沢田選手は15番前後の選手とパックになってフィードに戻ってきた。パワーがしっかりと出ている今季の中でも良い走りを見せる。しかし平野選手は20番前後のパックから遅れ始める。
3周目、トップライダーが動く。DANを中心に4名の選手がファストラップを叩き出しながらコースを切り裂いていくような走り。これがレース全体を刺激し、あちこちで中切れが発生。沢田選手もパックからバラけていく。平野選手は遅れを取り戻せず我慢を要する展開。
4周目、DANを先頭に3選手がアタック。別次元のスピードで5位以下の集団を引きちぎっていく。沢田選手はプッシュを続け、一人ずつ前を追う格好。平野選手はガマンの展開。
5周目、ポディウムを狙う3選手は更にラップをあげてフィニッシュに向かう。パンクやメカトラブルに見舞われる選手も増加。優勝は後半のレースを完全に支配したDAN。沢田選手はポジティブな走りを続け、平野選手はポイント圏内の25位を目指してフィニッシュへ。
結果、アンカーは沢田選手が16位でフィニッシュ。自身の力を出し切れるレース展開を見せた。WCに続き2戦連続で10ポイントを獲得した。
平野選手はWCでのケガも引きずり、彼本来のハイパフォーマンスを見ることは出来なかったが27位で完走を果たした。
これで2週にわたる北米遠征を終えた。貴重なUCIポイント獲得というチームとしての目標を果たした反面、ワールドライダーとの力と技量の差が具体的な尺度で明白となった。遠征でしか得ることのできないデータを基に、残された国内戦と、海外UCIレースでの挑戦でそれらを一つ一つ克服していく。
日本からの沢山の応援をありがとうございました。
しばし日本でのビジネスをこなし、9月のUCI遠征へ。


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