2019年5月6日月曜日

O、Novi Sad Serbia UCI S1

Salcano-Kyosera MTB Cup Novi Sad UCI S1。
結果、ステージ総合で沢田選手が17位、平野選手が24位となり、チーム目標のUCIポイント獲得に成功した。
2019菜の花飯山サイクルロードレース閉幕翌日、祭りの余韻に浸る間もなく、直ぐにセルビア遠征へと向かった。ここはチームとして初めての地。XTR9100系をフルスペックし、ドロッパーポストも投入した2019XR9もここが初戦。共に新鮮なUCI S1への挑戦となる。
平成から令和にかわるその瞬間、チームは羽田空港の出国ゲートにいた。先月、年号が令和に決まった瞬間も海外の空港だった。経由地ウィーン国際空港ラウンジのテレビ画面で新天皇即位を見ながら、新しい幕開けを粋を思う。
ベオグラード空港から80km先にあるノビサド。レースはノビサドから更に20km程山に入った広大な国定公園内に設置されていた。
ドナウ川を渡り、途中の細い山道からは想像も出来ない巨大なホテルが現れる。全てのステージがホテル前から始まるシチュエーション。セルビアも日本と同様に10連休らしく、会場には信じられない程多くの子供、家族が遊んでいる。天気も快晴で迎えてくれ、雰囲気はとても良い。
集まる選手も強い。スロバキア、ベルギー、ハンガリー、ウクライナ、カザフスタン、トルコはナショナルチームで参加し、それぞれナショナルチャンピオンを擁している。フランスからは世界選手権U23ポディウムライダー、プロコンチームライダーもいる38名のエリート。
トップ10は日本人の誰よりも速い選手たち。加えて林が多く乾かない強粘土質のヘビーマッド。高い草芝と激坂、ラフなラインで流れを絶ちきる重いコースレイアウト。昨年よりUCI クラスアップし、ライバルのレベルも上がったこのレースで1点でも多くのポイントを獲得することがチームの目標だ。
レースは、XCT、XCM、XCC、XCOの4ステージが用意された。
5月2日 XCT 14km
前日までの雨がやみ、快晴でのプロローグ。
長時間移動での疲労や大きなトラブルはなく、チームは順調にスタートを迎えた。両選手とも試走でしっかり確認したラインで路面コンディションに影響されないスムースな走りを見せた。Newバイクも期待通りの高いポテンシャルを発揮。トラブルフリーだ。
チームはポディウムライダーに対し、マラソンでカバーできる最小限のタイム差を狙い、沢田選手15位、平野選手19位で令和最初のレースをフィニッシュ。順当なポジションでのステージ開幕となった。
5月3日 XCM 55km (27.5km×2lap)
前夜の露の影響がない乾いた朝。
ステージで最もタイム差が開くマラソン。この日が最終成績にとても大きく響くことは誰もが理解している。やはりレース前半からマラソンとは思えない積極的な展開。リーダージャージを中心に直ぐに速いパックが形成される。
1周目、沢田選手は30番手前後。身体が重く掛かっていない。平野選手は淡々とした走りで20番手前後。ミスを起こさないよう慎重にレースを運んでいく。
2周目、沢田選手がようやく掛かり始め、前のパックを猛追。最後までプッシュして15位フィニッシュ。後半の掛かり方をみると前半の停滞が悔やまれる走り。平野選手は順位こそ落とすが、苦手なマラソンでも可能な限りタイム差を広げないガマンの走りで26位フィニッシュ。
5月4日 XCC 30min
朝露でコースが輝いている暖かい土曜。
タイムスケジュールが1時間早まり、エリートでは珍しい10時スタート。晴れているため、アウトサイドでの充分なアップも難しくない。
ショートサーキットとは言え、このコースは路面抵抗が非常に高く、パワーがモノを言う。案の定、ワールドカッパーを主軸にレースはパワー合戦。10ラップのうち、最初のラップでステージをリードする9名のライダーが早くも飛び出す。前半、沢田選手は15番手前後、平野選手は25番手前後でスーパーな高速列車を追走する展開。
中盤、攻め続けた沢田選手は9番手まで上がり、ワールドカッパーに割って入る。後半に向かうに従いパワーダウンとなり21位でフィニッシュしたが、レースで力を出し切れている。
平野選手はスタートで失敗し最後尾からの追い上げとなる苦しい展開。しかし、走りそのものは悪くなく、バイクをしっかり走らせることが出来ている。ダンシングにも切れが出てきた。最後までプッシュを繰り返し、前をいく選手数名をパスして23位フィニッシュ。
5月5日 XCO  4.2km×9lap
前夜からの雨で路面は最悪のマッドマット。粘土細工が出来そうな土質が牙をむく。
ステージ最終レースは完走しなければ意味がない。悩むタイヤ選択、コース戦略を嘲笑うかのような冷たい霧雨。ここの土質は、雨が降り続いても流れない。どのチームもタイムオーバーを意見した9周回の過酷なサバイバルが始まった。
ファイナルステージは2周目でやはり総合リーダーを主軸にトップ9のパックが形成された。沢田選手はその後ろのセカンドパック15位。平野選手は長い列車の25番手前後。結果としてこの2周目の順位がフィニッシュに影響していること、その後のラップは大きく開かないことを考えると二人とも走りそのものは悪くない。レース運びが課題だ。
一方、バイクを見るとどのチームも泥と草の酷い付着。何人もが洗車のためにフィードで止まるほど。ほとんどの選手がチェーントラブルに見舞われた。沢田・平野選手とも泥によるチェーンの脱落があり、過酷なレースとなるが、走りはポジティブ。走れるラインどり、降車区間の見極めを冷静に行い、ラップが不安定なライバルから徐々に自分のポジションをキープ。沢田選手15位、平野選手23位でフィニッシュ。
4日間のステージが終わった。
総合では、沢田選手17位、平野選手24位となった。この先に課題を残しつつも、こうしたライバルのレベルがアジアを遥かに超える高いレースで目標のUCIポイントを獲得したことは、今月末から始まるオリンピック代表選考、全日本選手権に向けて好材料と言える。
明日はセルビアでリカバリーし、明後日にはスペイン。
今回も日本から沢山の応援をありがとうございました。遠い地でも、その応援が力になり、チームは最高の環境で戦えています。
感謝します。そして、TEAM BRIDGESTONE Cycling は更に強くなります。
































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