2017年12月12日火曜日

R、全日本シクロクロス選手権 野辺山

第23回全日本シクロクロス選手権が閉幕。
結果、ディフェンディングチャンピオンのアンカー沢田選手は、弱虫ペダル前田選手とのゴールスプリントで競り負けての4位フィニッシュ。新チャンピオンは悲願のブリッツェン小坂光選手となった。
野辺山の12月。ほぼ間違いなく凍結するここは、牧場の厄介な泥と毛足の長い芝、制約されたレイアウトが用意され、全日本選手権にあわせて牧場上部までコースが延長されていた。金曜の降雪は一面を真っ白に覆い、冬季極寒のシチュエーションに多くの参加者が背中を丸めていたが、2月のルクセンブルグ(世界選手権)や飯山の真冬を思えば、ここはまだまだ優しい環境でもある。
これまでの野辺山はヘビーマッドにならない限り、決定的な勝負所が少ないコースだったが、延長部の踏みどころが加わり、パワー差、融解と凍結が混在する路面変化の処理能力が勝負を分けるだろうということは理解できた。
特に延長部にあるジープロードが大きなポイントになったのだが、そこは殆ど誰もいなかった。ナショナルチーム関係者ですらそこを注目せず、写りのいいピットとシケイン周辺にいる。そう、トップ選手たちは最も重要なセクションで静かに、でもバチバチと熱い戦いを繰り広げていた。
沢田選手が負けたことは正直悔しい。事前のローカルレースをキャンセルし、レースよりも数段強度が高く、自分の力を曝け出すトレーニングを行い、メンタルもフィジカルもこの日のために全てを集中してきた。沢田選手に伝えたのは「最も大切なのはレースまでの日々をどれだけ楽しめるか。過去の自分に上積みされた今の自分を心から強く信じよう。今日も一緒にスタートし、一緒にフィニッシュする。」
彼はフィニシュ後に笑顔で手を差し出してきた。この日、自分よりも強い選手がいたのだということを素直に受け入れている顔だった。二人でタイトルを獲れなかった悔しさは来年への燃料にしよう、それは無言でも分かった。
一方、小坂選手がどれだけこの頂点を望んできたか、飯山での全日本選手権で人知れず涙していたテント裏で交わした言葉を今でもよく覚えている。「地元長野でチャンピオンになりたかった。飯山で勝つと約束したのにすみません。」と。もらい泣きしたあの時から2年が経ち、彼は野辺山でそれを実現した。オメデトウ!
小学生の頃から飯山のトレイルを一緒に走ってきたシマノ横山選手も最後まで諦めないアグレッシブな走り。「航太!」と声を掛けると「よっしゃ!」と大声を返し、小坂選手を猛追していった。観客がいればあのダンシングは誰の目にも強烈に焼き付いたことだろう。
これで2017シーズンのレース活動を全て終了。
束の間のオフをフル充電に使い、来る2018年に備えようと思う。
応援してくれた全ての方々に感謝します。
アリガトウゴザイマシタ!










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