2018年12月31日月曜日

W、Goodbye 2018

2018年12月31日。
ブログを一か月ぶりに更新し、これが本年最後の投稿になる。
こんな小さなブログだけど、とても多くの人が覗きに来てくれているようで、更新がないと体調まで心配してくれる方々がいる。
大丈夫です。自分はしっかりと生きています。そして、明日から始まる平凡で厳しくて、楽しくて苦しくて、泣いて笑える未来を見据えています。
今年は人生で最も移動距離が長いシーズンだった。ビジネス、チーム、日本代表で計50フライト・12か国。そのどれもが貴重な時間であり、これからの自分の指針となった。
ビジネスではいかに初心と足元が重要かをあらためて知る。世界の最先端技術に触れても、AIやデジタルの凄さを勉強しても、地球上で生きていくのは容易いことではない。人間も植物も動物も微生物も、己の本能を置き去りにし、本質を忘れたら滅びるのだということ。何のために生きるのか、どんな存在価値があるのか。何を守るのか、何を壊して創るのか。自分の足元さえ守れないのにグローバル気取りは何も生まない。身の回りをもう一度良く見てみよう。今日もしんしんと降る雪を見て、この風景がこれからもずっと続いて欲しいと思う。
チームでは、勝つことの難しさと、負けることでしか得ることの出来ないものを得た。勝つことのみがプロフェッショナルの価値ならば、負けたチームは解散すべき。我々のチームは何故存在するのか、何を期待され応援されるのか。危険と隣り合わせで日々の練習も命を削りながら、選手もスタッフも生活を犠牲にしながら挑むプロスポーツ。他人の勝利に心から喜びを覚える人はどれだけいるだろう。負けた人を心の奥底から労わる人はどれだけいるだろう。日本人として最も多くのUCIレースを戦い、それは明白となった。本当に大切なのは勝敗そのものではない。勝つために自分を使い果たせるのか、その勇気をもっているのか、諦めないという地獄に飛び込めるのか、人に心底から感謝できるのか。TEAM BRIDGESTONE Cyclingは泥だらけで前を向く。
日本代表ではアジアと世界で日本人が置かれている今を直視した。残念だが、MTBの世界で日本は舐められている。ワールドカップ最終戦で代表監督として見た世界は、とても遠い。2年後に自国オリンピックを控え、最高に強い日本の姿はそこにない。沢山の人が己の知る代表ジャージを着た選手の奮闘を称えるかも知れないが、それを世界から冷静に見ると、声援と実力の差はあまりに大きい。もっと世界に行くための、もっと世界に挑むための勇気が必要だろう。1㎜でも後ろに引いたらチャンスはない。生きるか死ぬかの極限の場所に挑む勇者がいれば、それを全力でサポートしたいと強く思う。
そして、今年は大切な人を亡くしてしまった。小さな頃から姉がわりに面倒を見てくれたその人は、どんなに過酷な病魔にも負けないという強い意志を、息を引き取るその時まで貫き通した。波乱万丈の人生も、いつも応援してくれた笑顔も、どんなに深い愛情だったのかをあらためて知る。あなたが40年前に贈ってくれた軟球は、日が暮れるまで毎日毎日投げ込み、削れて小さくなってしまっているけど、この手に大切にあります。
ありがとうございました。
もっと強くなろう。
言葉は現実になる。