2021年3月23日火曜日

Team Camp 2021Spring

いつもなら、欧米遠征している春。今年は国内で強さを獲得するための工夫が必要になっている。
昨年の全日本選手権以降、レースから遠ざかっており、他人と競い合う感覚を取り戻すことも大切。まだ仕上げる時期ではないので、速さよりも全身で感じる調子を重視する。
従って、今回は訪問地のゲストライダーを各地で迎えながら2000km移動のチームスプリングキャンプを行うことにした。チームライダーはもちろん、地域内で独りで練習している彼らにも良い影響があるはず。
チームは飯山ガレージを出発し最初のキャンプ地である八幡浜へ900km、10時間の大移動。
チーム全員で、こうした移動をしながら各国を巡っていた記憶がどんどんと蘇ってくる。あの国、あの場所、思い出の景色、ヤバい食事、苦労したトラブル。。
オリンピック出場を目指して全てを尽くしてきた日々。突然、世界中のレースがキャンセルされ、計画していた20ものレースを走れないまま日本代表が決まってしまった悔しさ。
今思うことは、どれだけ平和な世界を旅していたのだろうか、ということ。
当たり前のように海外のトモダチがいて、ハチャメチャなオルガナイザーに文句を言いながら全開でレースしていた。
でも、こうして日本国内をキャンプしたことで気付いたことがあった。
我々は一般の方々からは少々遠い存在であり、交流する機会がなかったということ。そのつもりがなくても、プロフェッショナルな空気感が発せられていて、話したかったけどどうしても近寄り難かったと。。
今回、このキャンプのトレーニングを見るために、感じるために沢山の方が有給休暇や学校を休んでまで集まってくれたり、販売店訪問では沢山のサインをさせて頂いたり。トレイルを紹介頂いたり、ローカルレースに招待されたり、訪問地の行政から挨拶を受けたり。
我々チームの存在意義とは何だろう。
このキャンプから得たものは大きい。
選手たちも美しい日本の風景と共に、あらためて自分の意義と責任を感じたに違いない。

さて、自分は再び2000km移動。次の仕事へ。

2021年3月5日金曜日

G、Winter active

 地球温暖化。これまで意識してきた人にとっては古くから深刻な問題。

昨シーズンの飯山は全く雪がなく、海外との往復でもシューズの履き替えの心配のない不思議な冬だった。そして今シーズンはクリスマス前から充分な降雪があり、ルーフスポーツ(他人は屋根の雪おろしと言うが・・・)も3回を超えた。

Team TRKWorksとして、初のノルディックスキー世界選手権の会場となったフィンランドはマイナス20度の日々。単純に見れば、温暖化なんて嘘なんじゃないかと勘違いするほどの極寒だが、ドイツでは降るべき地域に雪がなく、滅多に降らない場所が大雪になっている。何だか滑稽だ。

3月までパウダーが楽しめるんじゃないかと思うほど豊かな雪に包まれていた飯山も、2月からそれは疑いに変わった。最寒期に雨が降り、10度を超える気温が当たり前のように繰り返される。。長期の気象学から見ればごく短期間とは言え、自分が子供の頃から染みついた飯山じゃない。川の流れも、あの山の氷も、山の雪渓も、植物の芽吹きも、これまで見たことのない風景に何度も遭遇する。

「今年の飯山、大雪で大変みたいですけど大丈夫ですか?」この質問はとても多く受けた。でもよく考えてみれば、この質問は自然へのオマージュであり、恵みへのプライドだと気付く。

「飯山らしい大雪で、いい冬ですよ!」

これからもこの地域に雪があるために、自分に何ができるだろう。

今日も雪に戯れ、自然から学ばせてもらおうと思う。