2017年9月26日火曜日

R、IIYAMA

IIYAMA。
久しぶりに飯山での時間を楽しみながら、次のビジネスに向けて準備。
まだ日中は25度近い最高気温になるけど、夕方はクーラー並みの涼しさ。空も夕焼けも秋のそれ。太陽を背に赤トンボも縦横無尽に舞う。
田んぼは黄金色で、柿の実も日毎に色付いている。トマトやナスは最後の力を振り絞って果実をつけてくれている。里芋の葉はトトロの傘より大きい。
夕飯の後、思いついたら温泉。我が家から5分で湯舟へ。熱る身体をクールダウンする間に見上げる夜空は星だらけ。星座なんて分からない程に光が散りばめられている。目が暗闇に慣れると天の川がハッキリと見える。
水道水はどのペットボトル水より美味いし、シャワーの水圧はいつも安定。空気はいつも澄んでいて、山も川もゆったり。四季の色彩を伴った風景はいつも次の季節へのワクワクを運んでくれる。
ネット環境も買い物も、病院もカフェもJAPANクオリティーで何でも揃う。新幹線を使えば東京まで100分。クリーンな道路もトレイルも充実。
多くの国に渡航すればするほど、このIIYAMAがどれだけの価値を持っているのかが明白になっていく。
この地に留まっているからこそ見えて考えられることがある。一方、ここを外から眺めることでしか得れない発見や思ってもみなかったインスピレーションに驚くことがある。
もうすぐ1年で最も好きな10月。
また遠くに旅する予定があるけど、それはIIYAMAがベースにあるからこその旅になるんだろう。
秋のIIYAMAにようこそ!!








2017年9月20日水曜日

R、東ティモールUCI-1レース


アジアで最も新しい未知の国、東ティモール。この国の首都ディリで開催されるUCI-C1レースに日本代表として参加。アンカー2選手と山本幸平選手(BH)、鈴木代表監督を含め5名の体制。コンパクトなチーム体制だが、現状日本人として最も海外経験と実力のあるメンバーで構成された。これは挑戦ではなく、2020を見据えてUCIポイントをより多く獲得するために向かうレース。目標はポディウムを埋めることにある。
到着した首都ディリ。かつての戦乱から完全に脱却し、今はアジアンローカルな街の風景を保ちつつ、急速に発展するインフラや外資で生活環境は年々改善されている様子。しかし、コースとなった山麓周辺はまだ数十年前のアジアのそれで、裸足の子供たちが瓦礫の上を飛び回り、女性は頭に薪を乗せ、兄は天秤で野菜や果物を売り歩く。道路は荒れたグラベルが多く、バイクの方がはるかに走りやすい。主要ホテルはエアコンが完備され、WIFIも何とか繋がる。生活雑排水のない街はずれの海はとても透明度が高く綺麗。国連が統治していた時期の名残で街中にはカフェやマッサージ、スーパー、レストラン、バーガー屋もあるため、チームの生活拠点として不足はない。
一方、この国で最もポピュラーなスポーツはサッカー、その次はMTB。実にマウンテンバイクファンの多い国でもある。子供達はすぐに近づいてきて笑顔でバイクと自分の脚を触ってくる。学校教育の中で「忠犬ハチ公」が紹介されているらしく、日本を知っている若者も多い。「アリガト」「コンニチハー」は良く聞く。何とも人懐こく純粋な眼をしている人が多い。このレースでもスタッフは懸命に職務をこなしていた。(時間にはとてもルーズだけど)
コースはディリの街並みを見下ろす岩盤山に新設されていた。ここは3カ月間雨が一滴も降っていない。山は痩せていて土壌が薄いため、山を削って作ったコースはパフパフで、砂が混じりスリッピー。スタートしてから一気に舗装路を下り、規制されていない街中のグラベルを通り抜けて急激な山を登坂しては下り、また劇坂を登りフィニッシュへ向かう。レイアウトは極度に高低差が激しく、流れが作り難い。鋭い礫も多くの箇所にあり、パンクのリスクもある。フィードはダブルだがレフトサイドのみ。ニュートラル用の運搬車がゾーン内に駐車され、実質的な運用スペースは数メートルしかない。ただ、現地のニュートラルスタッフが四方から「JAPAN Rider Come!」と常に情報をくれるので、3名のサポートに混乱は起きなかった。
レースは10時スタート、4.3㎞を5周回。高温回避からプログラムより30分早いスタートとなった。エリートはカザフスタンのKIRILL選手がゼッケン№1。沢田選手№2、山本選手№3、平野選手№4。この国を最もよく知るKIRILL選手を封じてポディウムをJAPANで埋めるためには、他国を間に入れず列車を編成しながら相手を利用してのアタックが必要。
スタート。やはりKIRILL選手が飛び出す。それにJAPAN3選手も素早く反応し、平野選手を先頭に3選手で列車を組んでKIRILL選手をキャッチ。しかし登坂であきらかにトラクションの掛からない平野選手が遅れはじめ、タイの選手が割り入る。沢田選手がKIRILL選手の背後から劇坂インコーナーで一気に前に出て先頭を奪い2周回目へ。
2周目、プロトンはタイ選手を切り離し、KIRILL選手、山本選手、沢田選手の3名がレースを支配した。沢田選手が積極的に先頭を引きフィードに戻ってきた。一方、平野選手は礫を踏んでパンクしてしまい、1㎞先のフィードまでランニングとなりホイール交換。一気に順位を下げてしまう。
3周目、脚を使っていた沢田選手はKIRILL選手に前に出られると先頭パックから遅れ出してしまう。しかし粘りをみせて再び先頭プロトンの目の前まで捉える。平野選手は前を追い続けるしかない展開。
4周目、ここで山本選手が一気にラップ30秒を縮めるアタックでトップに立つ。KIRILL選手はこれに反応できずその差は徐々に広がっていった。沢田選手も懸命にKIRILL選手を追うが捕まらない。平野選手はタイ選手の後塵でコンクリート。
5周目(ラストラップ)、山本選手が独走でフィニッシュ。今季海外レース初優勝を飾った。沢田選手は今ある力を出し切っての3位となり、目標のポディウムを獲得した。平野選手は7位。
結果、目標であるチーム3名でポディウムを埋めることは叶わなかったが、UCIポイント合計106点を日本にもたらすことに成功した。アンカーチームとしても、ジャパンチームとしても来季につながる実りあるレースになったと言える。
この遠い地に送り込んでくれた多くの関係者、スポンサー、サプライヤー、連盟に感謝したい。そして今シーズン残されたCJ1レースを良い形で戦いたいと思う。








2017年9月1日金曜日

R、Yes I can

アメリカから帰国してから2週間、まだ夏休みの名残がある日本国内を巡り、今は羽田空港のラウンジにいる。
今日はMTB世界選手権(ケアンズ)に向けたナショナルチームの出発日。いつもなら慌しく成田空港に向かっているが、今の自分は襟を正し、2018年に向かってやるべき事を粛々と行う時間を過ごしている。
帰国してから直ぐに茨城、福島、栃木に向かった。大切な人と一生懸命な話し合いを重ねた。一昨日は福岡、昨日は熊本。自分にできる震災や水害後の具体支援を模索した。
一体自分に何が出来るのだろう。冷静な判断の真裏にある止められそうにない熱をどうしたら良いのだろう。
やってみないと分からない。やらずして諦めるのか。
出来ないかも知れない。駄目になるかも知れない。
でも、出来る、やれると信じてスタートしなければ何も得れない。
目前では莫大なエネルギーを出しながら飛行機が空に消えていく。エネルギーは乗せている人や荷物や重力や空気抵抗に相殺されていく。
自分のエネルギーをどう活かすのか・・・。
やるしかない。あの頂きにエネルギーを注ぐしかない。