2018年4月28日土曜日

W、Neutral yellow IIYAMA

飯山は黄色に包まれている。
サイクルロードレースの世界を知っている人なら、黄色はニュートラルだと理解する。サイクルレースでは、イエローカー・イエローモトが、チームに関係なくそのレースに参加している全ての選手を差別なく援助する。パンクや機材故障の選手へ即座に対応し、スペアを与えてサドルを押し出す。あという間に不幸を取り除き、その選手を全力で戦う場へと復帰させるのがイエローの役割。
今、飯山は正しく、訪れた全ての人の不幸を取り去り、笑顔を生んでいる。
孫が祖父母を連れてやってきた。広がる風景に黙って立ち止まる人。やっと歩き始めた子供の手を引く嬉しそうな親子。初々しいカップルやグループがベストショットを探している。野外でのランチはさぞかし美味いだろう。
里の桜が舞い散り、山桜が最盛期を迎え、様々な木々の芽吹きが淡い色彩を醸し出し、絵画のような風景が広がっている飯山。
来週は日本代表としてアジア選手権のためにセブ島へ向かわなければならない。自分もしばし飯山の春を自由に堪能しよう。
ようこそ、飯山へ!

2018年4月22日日曜日

W、Iiyama cycle road race DAY2

菜の花飯山ラウンド2日目。昨日は個人TTや200mダッシュ、2mスティルなど一般選手と、登録選手によるポイントロードレース。そして今日は登録選手のみのロードレース。6カテゴリー223名の選手は朝6時頃から会場に入ってきた。前日よりも時間にして50%増しの日曜レース。クラス1以外の選手は、選手権やインカレといった大学生にとっての大舞台に出場する権利をこの飯山で獲得する必要があるため、入念な準備とチームのバックアップでレースに臨む姿がみられた。
飯山は朝から快晴。気温はクリアな夜のせいで冷えてはいるが、陽射しはパワフル。桜も限界まで耐えてこのレースに花を添えようとしてくれている。
スタッフやコミッセールも疲れをみせず、朝の入念なミーティングでは立場は色々あってもひとつのチームとしてこの大会を成功させようとする空気。親指を立てて、清々しい笑顔でそれぞれの仕事に分散していく姿を見ていると、まだ朝早いのに目にゴミが入る。
オルガナイザーとしてこれほど嬉しいことはない。
今日のレースは驚くほど順調に進行した。例年になく低い落車率とケガ。モトバイクチームとコミッセールの素晴らしい連携と技術でレースはストーリーを作り過ぎずに安全なレースの展開を齎す。ジャッジやコーナー管理、ピットも適確でスピーディーな判断。総務スタッフも裏方で会場を管理するスタッフも、ボランティアも自分が何をすべきかを判断して積極的に動いている。
12回目にして、この大会はひとつの目標に到達したのだと気づいた。オルガナイザーが動かない程に大会が動くという理想形。万感の思い。
そして、この12年間、飯山の全てのレースを審判していただいた小林秀一先生が審判定年を迎えるため、スタッフ全員でサプライズ表彰。感謝状に永久名誉審判の称号を加えて先生にお礼を申し上げた。彼の存在によってどれだけの困難を乗り越えてきたか。
ありがとうございました。そして、ありがとうございます。これからも一緒に宜しくお願い致します!
参加してくれた選手、関係者、スタッフ、ボランティア、スポンサー、サプライヤー、地元の方々、家族。
ありがとうございました。そして、ありがとうございます。これからも飯山を応援してください。
感謝。

2018年4月21日土曜日

W、Iiyama cycle road race DAY1

2018菜の花飯山サイクルロードレース、JICF全日本学生ロードレースカップ第1戦菜の花飯山ラウンドが開幕。
桜吹雪と菜の花が咲き始めた飯山市長峰公園で、延べ460名の選手が集まった。2007年に初めてこの場所でレースが行われたときと一緒。桜咲く無風の快晴の日だった。12年で一周したのだろうか、感慨深く晴れ渡る空を見ると桜が雪のように舞っている。そうだ12年前もこうだったなあと思い出す。
全く違うのはスタッフの体制と参加者数。当初は50名足らずの選手。スタッフもかなり少なく、3日間寝ずに執務した。お金も協賛もゼロ発信で、地元住民の冷ややかで厳しい視線を常に気にしながら冬から各地をまわって開催への理解をお願いしてまわった。市議会にも、地元企業にも、区長会にも、住民説明会も。。
今日のレースは成功。大きなケガやトラブルもなく、全員で日焼けした真っ赤な顔で明日の再会を誓うことが出来た。
素晴らしい協賛品は大会を更に盛り上げてくれ、完璧な準備とコミッセールの仕事ぶりは安全なレースを演出してくれた。それぞれが役割を分担し、大会はオンタイムで進行していく。
今晩は脱水や熱中症にならないよう、たっぷりの水分を摂って欲しいとお願いしたが、それはアルコールではなく!と伝えるのを忘れてしまった。
明日も高温予想。デイ2の走りは更に加速する。
是非、明日も飯山長峰運動公園へ。

2018年4月15日日曜日

W、US-CUP BonelliPark UCI-HC

今日、4月14日(土)は先週末に続くUS-CUP2戦目、SanDimasにあるボネリパークで行われたUCI-HCレース。
結果、平野選手が44位、沢田選手がDNFとなり、目標のUCIポイントは獲得できなかった。
先週のFontanaに比べ、TREKを筆頭にアメリカンワークスチームやBHも加わり、より多くのワールドカッパーがサンディマスの街に集まってきた。次週にシーオッタークラシックを控えるためかエース級ライダーが参加。スタートループ+7周回のハイスピードなレースが展開された。
14:45、気温27度に達しようとするクリアドライの中、83名のエリートがスタート。ループ中のポジション争いはとても激しい。コース枠いっぱいを使って強烈なダンシングが重なってみえる。チームの2選手は大集団の前方でループをこなし、本コースに入っていった。平野選手は10番手前後の好位置でのスタートに成功、沢田選手も20番手前後の良い位置取りだ。
このコースは湖を望む広大な公園を利用しており、シングルトレイルとジープロードの短いアップダウンを繰り返す。Fontanaと違い長いセクションが少なく、スピード感のある展開になる。一方、コース上で何らかのトラブルを起こせば、ポディウムを狙うどころか、完走すら危ういレースとなる。抜きどころも少ないため小さなチャンスを確実に拾うことが必要になる。
チームとしては、スピードと順位を多少犠牲にしても、フィードから最も遠く難しいロックセクションはセイフティーライドとし、その他の細かいポイントをしっかりと刻む作戦とした。2日間をかけ、ウォーキングでも入念なチェックを行い、サスペンションセッティングもコースに最適化させた。
1周目、沢田選手が25番手前後のパックで帰ってきた。調子は上向きで、ワールドライダーに囲まれた良い位置で彼本来のパワフルな走りが見えている。平野選手は30番手前後に後退。想定以上の暑さに対処できていないのか、敢えて力を抑制しているような静かな走りで帰ってきた。
2周目、沢田選手はUCIポイントを強く意識する集団の中で更にジャンプアップを狙う。斜度のある登坂でアタック。しかしまわりの選手もアタックを容易く許す訳がない。互いに攻め合いながらロックセクションへと向かう。そしてここでアクシデントが起きてしまう。沢田選手は何度も確認したロックセクションでまさかの転倒。左膝に大きな裂傷を負ってしまう。フィードまで自走したものの、そこでレースを降りることになってしまった。調子が良かっただけに残念だが、これもレース。直ぐに救急隊に彼を預けることとした。
平野選手は35番手前後で通過。この順位あたりはパックが崩壊しバラけている。すでに83名の選手は1㎞以上の走路に点在し、トップ5は更にファストラップをたたき出し、セカンドパックは遠くなる背中を追いかけるが縮まらない展開。
3周目、平野選手は40番手前後。明らかに高温に対処できていないようだ。フィード通過時にしっかりと会話できるほどに息遣いは乱れていない。しかしオーバーヒートを避けるために自制しながらの走りになっている。トップ集団はペースをやや抑えて中弛みをつくり、レースをコントロールしている。
4周目、高温対策ができていない選手は自らレースを降りていく。機材トラブルも出始め、コースにいる選手が減っていく中、トップ5は崩壊しトップ2が形成された。ラップは再び上がり、セカンドパックを引き離していく。平野選手は順位をキープするが、ライバル選手と一緒に前を追う展開にならず単独走になってしまう。
5周目、トップ集団がけん制し合いながらフィードを通過。アタックポイントを探っている。平野選手は25位以内のUCIポイント圏内の選手が見えない位置でガマンの走りを強いられていたが、ここで6周回に入ることを許されなかった。

今回のアメリカ遠征では日本に結果を持ち帰ることが出来なかった。沢田選手がケガを負ってしまい、UCIポイントを獲得できなかったことは非常に残念であるが、これもレース。ただ、日本では絶対に経験できない超高強度のレースを2戦経験して得たものは大きい。アメリカのガチガチのハードバーンでの走りも、緩急の激しいアタックも、ポジションどりも、踏みながら休むということも。。
そして、今回は多くのスポンサー、サプライヤーの支援に加え、カリフォルニアに縁のある日本人の方々にも手厚いサポートをしていただいた。チームを支えて頂いた全ての方々に感謝し、前を向いて進む決意をあらたにしたい。
応援ありがとうございました。







2018年4月9日月曜日

W、US-CUP Fontana CA. UCI-HC

今はアメリカ・カルフォルニア。TEAM BRIDGESTONE Cyclingは3月のキャンベラ2連戦から4月のアメリカに渡り、サン・ディマスという古街にアパートを構えた。
チームとして今季UCI5・6戦目となるUS-CUPの2連戦に挑戦するためで、この2戦は共にUCI-HC。ワールドカップに次ぐハイレベルなレース。ここにはスペシャライズド・ワークスライダー、トレックサポートライダー、レッドブルヘルメットも集まる一方、UCI保有ポイントこそ少ないが、ローカルトレイルをよく知る強力なアメリカンライダーも加わり、80名を超えるハイレベルなエリートレースが展開される。チーム目標であるUCIポイント獲得を目指すのはもちろん、5月のアジア選手権に勝つための力をどれだけ増幅出来るかも重要だ。
4月7日(土)の第1戦はフォンタナ。
古典的なアメリカンクラシックコース。ガツンと登り、ロックの上下動と長いダウンヒル。ファンライドなら最高に楽しく、360度見回せる景色の良い場所だ。一方、レーシングではピーキーでテクニカルなロック間を巡るシングルが多いハードなレイアウト。一旦中切れを起こせば前を追うことが困難になる、比較的平坦路も多く用意された1周8.6㎞・想定ラップ22分以上のタフなコース。
結果、平野選手が32位、沢田選手36位でフィニッシュ。(ドリームシーカーズの山本選手、北林選手は共にメカトラブルでDNF)残念ながら国別ポイントを稼ぐべき日本代表のトップ3選手がUCIポイントを逃すこととなった。
スタート時刻は14:45。気温23度程の乾燥した晴曇りの中、86名の選手が土煙を巻き上げ、あっという間に超特急が編成される。まるでロードレースのような速さ。視界がかなり悪い土煙の中で、8番手に沢田選手、20番手に平野選手がトラブルなく位置取り、山頂に向かってのヒルクライムにかかる。しかし、そこではシングルトラックまでにポジションアップを狙う動きが激しく、想定通りにスプリントのような激しいアタックが繰り広げられた。チームとしても最も重要な走路であることは充分に理解していたが、トップ集団のスピードが予想以上に速い。平野選手と沢田選手は多くの選手にパスされ、順位を大幅に後退させてしまう。
2周目。このレースで勝利するBlevins Christopher(Specialized Racing)を含む4名の先頭集団が形成された。すでに後続集団とは60秒ほどのビハインド。西部劇の荒野を駆け抜けるカウボーイ集団のような土煙を上げながら第二集団との差を着実に広げていく。後ろにはコマ切れないくつもの小さな集団の間に単独で前を追う選手が点在。ブリヂストンの2選手は30-40番代の集団に乗ってきた。
3周目。先頭は変わらず。ブリヂストンの2選手は懸命に順位を引き上げようとプッシュ。平野選手の走りは徐々に彼本来のスピード感が出てきた。7-8名程の選手をパスして20番代の見えるポジションまで上がる。一方、沢田選手はストレスフルな展開にガマンするしかない。前半のハイスピードな展開に完全に翻弄されてしまった格好だ。
4周目。ラストラップを4名の先頭集団はけん制しながらテクニカルフィードを通過。横を向きながら何やら互いに会話している。ラップが非常に速いのだが、トップ集団程ボトルを手にする時間が長い。後続はドリンクをとる暇がなく踏み続けるしかない。ブリヂストンの2選手は目の前の選手を一人でも多くパスすることに集中しフィニッシュに向かった。
やはり、ここはアメリカ。MTBスポーツ発祥の地。コースも選手もMCも、とにかくスロットルを開けるのが上手い。陽気な雰囲気の中でマウンテンバイクがどんなに愛されているのか、どれだけ層が厚いのかが分かる。
チームはこのフォンタナでの結果をしっかりと鑑み、残された時間は出来得る対策を確実に行う。XR9もXTRもAXONも完璧な仕事をしてくれているので、次週末のサン・ディマスでは、MCに「BRIDGESTONE」「JAPAN」をコールしてもらえるよう力を尽くしていきたい。
日本からの沢山の応援に感謝!