2016年10月18日火曜日

T、CJ1富士見パノラマ決勝

CJ1富士見パノラマが終了。
結果、アンカーは沢田選手がスタートからの圧勝で4連勝を飾り、平野選手は6位でフィニッシュ。
これにより最終戦を待たず、沢田選手が初の2016シリーズ個人総合優勝を果たし、チームは4年連続でゼッケン№1を獲得することに成功した。そして、最終戦でのプレミアチーム総合制覇に向けて有利な状況になった。
2戦連続での雨泥コンディションから一転、ここ富士見は10月の快晴に包まれ、XCコースは完全にハード・ドライ。八ヶ岳は秋色で、特に夕陽があたると真っ赤に染まり、あらためて富士見パノラマの環境が素晴らしいことに気付く。
朝夕の気温は一桁台と低いが、日中は半袖で活動できるそれ。どんな環境でも強さを表現しなければならないが、やっぱり晴れはキモチイイ。
バイクはドライ用のオイルを2種類投入してチェーンを整え、BBはガレージで余分なオイルを削除して回転抵抗を減らした。タイヤのエアは選手の好みでセットするが、スタート直前までベストコンディションを確認し続け、サイドにはシリコンコーティングでカットリスクを軽減する。すべてのボルト類、レリーズ、バルブを納得のいくまでチェックする。メカニックとしては特別ではないごく基本的なこと。レーシングバイクは生き物で、常に状態が変化していることを知ることが重要だ。
今季、沢田選手はレース前のコンディショニングに飯山でのトレーニングを積極的に導入しているが、練習中はこれまでにないカラダの重さを感じていた。しかし、それは2週連続レースでの疲労に負けているのではなく、パワーが増しているために1枚ギアレシオがパワフルになっているためだ。カラダがよりモアパワーを求めて踏んでいる。
6周回で争われた富士見。スタート一発、アンカー2選手はストレスなくコースイン。これまでで一番緊張していた様子の沢田選手には「1周回目はトップに立つ意識は不要。落ち着いて自分の走りをすればいい。時が一番強い。」と話した。平野選手には「とにかく元気よく、気持ちよく、強く行こう。大丈夫だ」と。
2周目、フィードから目を凝らす。見えてきたのは2位以下を大きく引き離した沢田選手だった。平野選手は3位パック。アンカージャージが光の強い富士見で躍動した。
結局、沢田選手はライバルを圧倒するエネルギッシュなダンシングとシッティングでその差を広げ続け、二人で約束した目標に向かって一切手を抜かない走りで今季最速の圧勝でフィニッシュ。(彼女が応援していたからかも!) もはや彼をハラハラして見ることは必要なくなった。
平野選手は、今の彼に出来ることを出し切っていた。残念ながら彼らしいブーストのかかった走りがスポイルされてしまっているが、基本的なパフォーマンスが高いので、常に上位争いを展開できる。彼が表彰台を狙う位置で走ることで、まわりの選手に圧力が伝播し、結果として沢田選手を他チームが容認せざるを得ない優位な展開をもたらしている。
これで残すところあと1戦。山口県下関での戦いで全ての2016ランキングが決定する。
アンカーはスポンサー、サプライヤー、ファンと共に、全力でこのオリンピックイヤーを締めくくりたい。










2016年10月11日火曜日

T、CJ1白山一里野決勝

CJ1白山一里野が終了。
結果、アンカーは沢田選手が独走で3連勝。平野選手は5位。
スタートループ+6周回。このレースのループは難度の高い本コースの60%程を使う。よって、実質6.6周回。先に終えるカテゴリーで、コースは芝草が剥がれ、雨が中途半端にあがってしまうことで更に粘質の強い田圃のような最悪のコンディションになれば単純なコースレイアウトでも非常にハードなレースへと変貌することが予想された。
妙高杉ノ原に続く雨模様。土曜朝の時点でひどい泥レースを覚悟することになった。10月3連休の白山、本来なら紅葉真っ盛りだが、ここも昨今の天候不良で例年よりも暗い風景と霧に包まれていた。気温も15℃以下と寒く、暖を取る場所も少ないため、体調管理に気を遣う状況となった。
しかしアンカーは2連勝中で、チームも個人も年間総合成績でトップを射程にしている。チームの機運は高く熱い。だからどんな状況でも何ら動揺することはない。選手もスタッフも充分に対策を心得ていて、準備は着々と整えられた。
タイヤは考え得る銘柄を全て選択できるように準備。選手の好みでセットアップ。バイクはフレーム、パーツ、タイヤホイールのすべてをシリコンコーティングし、Di2シフトスピードも適切にコントロール。サドル、ゼッケン、チェーンリングの裏面でさえコーティングを施し、泥付を抑制。特にBB付近はコート剤を3重に処理した。(スタッフからは塗装が薄くなる!と言われた。。)
芝草の丈長、泥の質、コースレイアウト。これらがレースでどのような影響を及ぼすかをスタッフと選手が自分の感性と経験で情報を出しあい、最終的なセッティングを行う。
沢田選手は絶好調でこのレースを迎えた。ライバルを気にせず、自分だけに集中してスタート。若手の勢いのあるスタートダッシュにも自分のポジションを確保し、絶妙なラインどりでループからトップを独走し始める。シクロクロスで培ったテクニックを駆使しながら、誰よりもパワフルで速い。2周回目には既に2位以下を大きく離し、誰の背中も見ないまま完全にレースを制御してフィニッシュ。完璧なレース運びに笑顔でこたえた。。ここ2年で高速化しているレースでは誰も成し得ていない3連勝を達成。
でも彼はフィニッシュして直ぐにこう言った。「僕はまだまだ強くなりたいんです。」
自分はこう答えた。「そう、トキはまだまだ進化の途中。もっと求めようぜ。」
一方、平野選手はスタートダッシュで遅れをとったものの、ポジティブな状態で前の選手を着実にパスしていった。体調も決して悪くはない。しかし、芝草や枝がリアディレーラーのプーリーに絡まり、シフト障害が発生。シフトチェンジが困難となり、フィードゾーンまでアウタートップで走り続け、リスタートとなった。それでも彼の集中はフィニッシュまで切れず、平野選手らしいダンシングに観客も声援を送った。
次は週末の富士見パノラマ。
沢田選手は飯山でのルーチンを熟し、万全で会場入りする。
平野選手は得意の富士見で素晴らしい走りを魅せてくれることだろう。
アンカーを応援してほしい!









2016年10月6日木曜日

T、クリアスタート

一年で一番好きな月、10月。
生まれ変わるとしたら、再び山と川に囲まれたこの場所に生まれ、自転車乗りでありたい。
先週、深い関係にある2軒の方々の葬儀に参列した。
命の尊さ、愛情の深さ。あらためて合掌しながら人の凄さを思った。
空が本当に高い秋の夕方。
畑は収穫最終節になり、モミを燃やして燻炭にする風景は子供の頃から変わらない。田圃は稲刈り真っ最中で、切株が秋を確定させる。
飯山をこうして自分の力で走れる時間があることに感謝しよう。
この日、いつも同じ気持ちでクリアスタートできることに喜びを。