2019年3月28日木曜日

O、XR9 ver.2019

2019シーズンを共に戦うNewXR9。
12速に進化した9100系XTRをフル装備し、AXONカーボンフォーク、シマノPROの小物類、グリーンドライブでフルコートされ、5月末から始まるオリンピックポイントの掛かったレースへ向けて、実践テストが始まった。
今季からドロッパーポストも採用し、熟成したリジットバイクのバッファーを更に広げている。
NewXTRのシフトは機械式。しかし、これまでのDi2と比較してもメリットしか感じない程の素晴らしいシフティング。ワイドレシオの12Sも、その物理的大きさ、ギア比の差を全く感じさせないシフトの軽さと正確さ。Di2よりかえって速い変速動作が可能になっている。シマノらしいウルトラスムースなHGギアと、XR9の高剛性と相まって、スタートダッシュでとても有効になるだろう。
ブレーキは、キャリパーもパッドも小型化して軽量化した反面、制動力は変わらない。レバーは取り付け位置が変更されて動きがよりリニアになり、タンクとピストンの改良なのか、エア抜きが従来より簡単になった気がする。
フロントギアはその形状だけでなく取付方法もダイレクトマウントとなった。より構造がシンプルになり、チェーンとの噛み合わせも強くなったため、デバイスがなくともチェーン落ちが激減するだろう。
シマノは新系統への進化と共にXTRの完組ホイールを休止したが、9000系XTRに使われていたアルミ・カーボンのハイブリッドリムは、現在でも世の中にあるリムの中でも最高レベルにあると信じている。激しい海外UCIレースをどれだけこなしても、その走破性、信頼性、回復性は揺るがないため、NewXR9にもこれを投入することとした。ハブも大きくアップデートされ、よりトルクの掛かりが良くなっていて、走り出すと速いと感じる程。フリーボディが一新されて10速が使えるようになり、フロントギアの選択に迷うことが少なくなるだろう。
ペダルは最小限の改良と言える。完成の域にあった従来から大幅な変更はなく、安定度は相変わらず。踏み面が若干広くなった感じだ。Qファクターが2種類になったので、選手によっては選択肢が増えた恩恵もある。
フォークはBRIDGESTONE チーム特注カラーで仕上げられた。クリアのないマットなカーボンに赤文字。レーシングカラーのフレームと融合したカラーリングになり、バイクの一体感が増した。このフォークの性能は詳しく語らずとも、これまでの実績が物語る。2シーズンノーメンテナンス、ノートラブルを達成できる程、その信頼度は高い。
シマノXCシューズもモデルチェンジ。BOAダイヤルBOAの従来型をベースに、生地の使い方や縫製位置が変わった。これも好意的と受け止めるもの。昨年はブラックであったカラーは、今季から勝ち色のシマノブルーになった。
厳しくも希望に溢れた2019シーズンをこのバイクと共に頂きを目指せることに感謝しつつ、バイクセッティングのアップデート、トラブルシューティングを極限まで詰めて行く。
さあて、週末からはいよいよ本格的に遠征が始まる。先ずはギリシャ、Spartaで行われるステージレースへ。多彩なコースシチュエーション、厳しいコンディションの中でしか得れないパワーを取りに行く。
TEAM BRIDGESTONE Cyclingへの応援を宜しくお願いします!














2019年3月27日水曜日

O、Graduation ceremony

3月。飯山では春の訪れにワクワクし、溶けて行く雪に名残惜しむ季節。そして世の中は別れの季節でもある。
自分は遠征とビジネスの合間を縫いながら、卒業、卒園の場面に招待され、多くの挨拶をしなければならない立場にいる。
そんな中、ある飯山市内の小さな保育園の卒園式。来賓として、飯山市を代表しての挨拶が求められるときの出来事。
卒園式の小さな会場は、卒園児より多い来賓と正装の保護者らでぐるりと囲まれ、壇上には小さな11個の椅子が並んでいる。在園児はモジモジしながら黙って卒園児を待っていた。静かな音楽と共に卒園児が入場してくる。子供たちは皆、笑顔でいっぱいの入場行進。普段は見れない多くの人に囲まれて照れているような、主人公になって嬉しいような、元気な行進で壇上にあがった。
一人一人に園長から卒園証書が渡され、子供たちは小学校での目標とそれぞれの保護者へのお礼の一言を添えて証書を手渡す。子供たちは笑顔、親は涙。小さな保育園だからこそ、一家族ごとの丁寧な式典が進行していく。
次は自分の番。どんなに数多くの来賓祝辞を述べて来ても緊張はなくならない。会場の雰囲気で2つのパターンを用意しているが、この場での挨拶をイメージしながら、目の前の在園児の小さな足元を見て集中した。挨拶は卒園児へのおめでとうから。そして4月からの小学校のこと、保育園の思い出を忘れないで欲しいこと、辛いことや苦しいことも必ず力になっていくこと、を話していった。
その時のことだった。全ての語りの句読点に、子供たちは「はい!」と返事してくる。予想外だった。たった6年前に生まれたこの子供たちが一生懸命にオジサンの話を聞こうとしている。瞳は愛くるしく、皆キラキラしている。2歳、3歳の在園児も両手を膝に置いてこちらを見ている。これには参った。その真っ直ぐな目線に圧倒され、深く感動してしまう。続く祝辞が涙声のように震えていたようで、皆心配そうに自分の顔を覗き込んでくる。涙を堪えるのに相当のエネルギーを使うことになった。それはそうだろう、来賓が感動して泣いてしまうなんてことは先ずあり得ないだろうから。。
子供は宝。誰もが輝く原石。それは疑いようもない。
そして、大人の責任はとてつもなく大きいことをあらためて知る。彼らがどう育っていくのかを見守るのではない。大人が全力で次の世代にバトンを渡していくこと。それも常に進化したバトンでなければならない。
この子供たちに恥じない人間であるか。渡すバトンは磨き続けているのか。
清々しい卒園式に感謝。
全力で生きよう!そう強く思う3月。