2018年3月26日月曜日

W、MTBA-2018XCO Rd8  S.F.P.

キャンベラでの第2戦、ラウンド8を終えた。
前日、機材に多くのダメージを与えてしまったが、全て完全に修復して臨んだ2日目。
結果、沢田選手は6位、平野選手は9位でフィニッシュ。沢田選手は最後までプッシュし、5位以内のポイント獲得を狙ったが惜しくも届かなかった。平野選手は前日に続いてパンクに見舞われ順位を上げることは叶わなかった。
この日の天気予報は曇雨、そして強風。路面コンディション的には前日までのドライ傾向でコースは硬く整っている。昨日のラウンド7と共通路は1㎞程度。ロックもバンクも多用された登りも下りも大胆なレイアウト。そこに縦横無尽の強風がコース上で影響してくる。2レース目の疲労も加わり相当にタフなレースとなるため、選手は前日から可能な限り疲労を抜くことに集中した。
2日間で2戦連続のXCO-UCIレースは日本で経験することが出来ない。増してやここはAUSキャンベラ。AUSの新ナショナルチャンピオンもジュニア世界チャンピオンもエントリーしているハイレベルな機会。挑戦するにはこれ以上ない環境といえる。
そして、XR9は前日の激しいクラッシュの悪影響を全く受けていない。こうした海外での過酷なレースでは基本的な品質の高さ、頑丈さが最も重要になる。XR9はスペアバイクのない海外遠征に最適なバイクであると改めて認識した。(前夜の修理作業は深夜まで楽しめたが)
また、AUSの人は本当に優しい。沢山の荷物を運ぶ自分を見つけて直ぐにクルマのドアを開けて「スタートエリアまで行く無料のタクシーが迎えに来たぞ」と。清々しい気持ちでタフなスタートを迎えることができた。
雲の流れが速く光の射し方が短時間に変化する13時、5周回のレースがスタート。
スタート地点から400m近くは緩い上りの向かい風。ここではアマチュアライダーを先頭に出し、ポディウムを狙う選手群は風を避けて厳しい登坂のスターティングアタックに備えている。ペースは遅く縦に伸びた集団は平野・沢田選手を5番手前後に挟んで山に向かった。林を抜けて踏める登坂に出ると一気にペースが上がる。やはりここでIvory選手(前日のRd7覇者)が出てくる。彼は登りも下りもクレイジー。誰も寄せ付けない圧倒的な速さで早くも1周目から独走が始まった。2番手にゼッケン№1のBen選手という構図は前日と一緒。それを追う縦長の後続集団に沢田選手がいた。平野選手は更にその後ろ。
2周目、沢田選手7番手、平野選手10番手でフィードを通過。強風がひどいため、単独にならずにチームで先頭を追いたいところだが、中切れも挟んで沢田選手から平野選手が離れてしまう。他チームもタッグを組むことが成立せず、先頭を容認してしまう格好になった。
3周目、沢田選手は疲労を抱えながらもラップダウンを堪え、5位圏内の選手を射程に懸命な走りを続けた。一方、平野選手はリアタイヤをパンクさせてしまう。昨日より確実に調子が良くなったことで下りでのアグレッシブさが増してのパンク誘発だろう。フィードまで戻りホイール交換してリスタート。
4周目、沢田選手は6位に浮上。混走となったジュニア世界チャンピオンとランデブーでヒルクライムをこなし、5位の選手の背中が見える位置までプッシュ。平野選手も数名を抜いて9位まで上がってくる。
5周目、沢田選手は最後まで追走を緩めない。しかし5位の選手との距離は思うように縮まらない。残念ながら2日連続のUCIポイント獲得は叶わなかった。平野選手は中盤以降の走りを見る限りパンクが悔やまれる9位でレースを終えた。
この2日間のレースでは大きな収穫が得られた。UCIポイント獲得という目的は満足のいくものではなかったが、克服すべき明確な技術課題、フィジカルの改善点、機材のセッティング、チームの方向。これから本格始動する2018シーズンの大舞台に向けて重要なヒントが揃ったと言えるキャンベラでのレース。
全てを糧に来月のアメリカ遠征に。
応援して頂いたすべての方々、そしてスポンサー、サプライヤー各位に感謝します。
こうして世界に挑戦できる今を大切に、確実に進化して結果を追い求めて行きます。
ありがとうございます。










2018年3月24日土曜日

W、MTBA-2018XCO Rd7 Stromlo Forest Park

チームブリヂストンサイクリングにとって、フル体制での2018シーズンがここオーストラリアのキャンベラで開幕した。
チームはMTBA2018XCOのラウンド7・8の2連戦となるUCIレースを皮切りに、今季のスケジュールは秋までコンクリートされているが、このキャンベラでのレースはUCIポイントを獲得するというシンプルな目的に加え、重要な位置づけをもっている。それはチームがどのレベルで開幕でき、アジアと日本の選手権を制するために必要なプロセスを明白で確実なものにするためでもある。
結果、ラウンド7は沢田選手が5位でポイント獲得。平野選手は12位完走となった。
ここStromlo Forest Parkはこれまで培ってきた技術とフィジカルを全て暴露するコース。かつての世界選手権会場というレガシーは常に進化を止めず今日まで素晴らしいコースが増設されている。そして何よりローカルライダーや各チームスタッフ、ボランティアなど会場にいるAUSの人々がとても優しくフレンドリーだ。常に互いを尊敬しあっていて、日本人であることが分かると心から歓迎してくれている。
険しい顔をしてストップウォッチ片手に「先頭と何秒」なんて発している人はまずいない。狭いフィードゾーンと分かっているため、タイヤ交換や体調不良の選手が走行ゾーンに止まっていても、それを咎めるのではなく、そっと心配して包むような感覚がある。MCも活躍している選手の動きをしっかりとコールし、日本語名の読み方まで聞いてきた。
これは2年前のUCIレースの時と変わらない。素晴らしいホスピタリティ。
レースは秋の様相となった曇り空から晴れ間の見える天気の中、エリートは14時定刻スタート。ナショナルチャンピオンジャージ、AUSシリーズリーダーのいるタフな6周回が始まった。ブリヂストンの2選手は最前列のスタート。300m先のシングルトラックの進入が勝敗のカギを握ることはスタート前から分かっていたが、そこは誰も譲るわけがない。ブリヂストンジャージは揃って5・6番手でカンガルーが横切る林の中へ。順調なスタートとなった。
2周目、早くもこのレースを完全支配することになるIvory選手(TREK Factory Racing)が単独で飛び出す。登坂で一気に加速し、後続を寄せ付けない圧倒的な走りでラップを広げていく。2位以下もこれに引きずられるハイペースで展開するが、パックが薄く、追走にはならない。その中で沢田選手はファストラップをたたき出し(MCも興奮してJAPANコール)単独で3位に浮上。平野選手は精彩を欠き、9番手前後で通過。
3周目、沢田選手の動きがいい。顔つきも目線も強いトキのもの。いつもは良い走りであってもレース中に褒めることはしないのだが、今回は思わず口に出してしまう程の快走。3位をキープするどころか、4位以下を更に大きく突き放していく。一方、平野選手は中々掛からない。我慢の展開が続く。
4周目、フィードに入ってくる沢田選手のウェアは土で汚れ、膝からは流血していた。DHセクションで転倒し、前ブレーキを破損したようだ。しかし残されたラップを考えると機材を騙しながら走ることを選択。この時点で5位。
5周目、平野選手がスローパンク。岩にヒットした影響でシーラントが漏れ、タイヤが低圧になっていたが、彼の冷静な判断でフィードに入りホイール交換。沢田選手は順位をキープする走りに集中。
6周目、沢田選手は機材破損とケガを負いながら5位でフィニッシュ。ウィンターシーズンの活動を含めてこれまでの彼の取り組みが間違っていないことが分かる。2018シーズンのスタートに相応しい走りがあった。一方、平野選手はラスト半周のところでリムをヒットして再びパンク。明日のラウンド8に備え、トラブルの程度と自分の順位を冷静に鑑みて今日のレースを降りても良いと伝えてあった。彼は徒歩でフィニッシュまでバイクを労わるように戻ってきた。
これでラウンド7は終了。明日はラウンド8となる。
些細なことでも良かったことはしっかりと記憶し、悪かったことはすっかりと忘れて明日に備える。失敗やダメだったことは夕食時の笑いにかえる。充実したコミュニケーションはこのチームの最大の強みだろう。
明日は13時スタート。
応援を宜しくお願い致します!










2018年3月4日日曜日

W、Cyprus Sunshine Cup Amathus UCI-1

2018シーズンのチーム開幕レースはCyprus Sunshine Cup UCI-1。
チームブリヂストンサイクリングという名称をリザルトに刻む初レースでもある。
結果、平野選手が19位となり、強豪の中での完走となった。
キプロスはチームにとって馴染みのある地。これまでは第1戦の4日間ステージレースを選択してきたが、3月から始まる年間スケジュールにあわせて第2戦のXCOのみに参戦。今回は東南アジアで長期合宿を行ってきた平野選手と自分で挑んだ。(沢田選手はアジアシリーズ開幕戦フィリピンを計画)
UCIクラス1レース。地中海をのぞむAMATHUSのアクロポリスの山を縦横無尽につかったコースレイアウト。路面は鋭利な石灰石が土壌の粘質にコンクリートされて顔を突き出し、トラクションが不安定で分かりづらい。しかもシングルトラックが斜面をトラバースしている箇所、激坂の滑りやすいロックセクションが多いために前の選手をパスすることも困難。エントリー選手もUCIランキング10番台、20番台の上位が名を連ねる非常にタフなレースが予想された。チームの目標はUCIポイントの獲得。
気温は19度、天気は快晴。エリート男子は41名のエントリー、平野選手はゼッケン7番のフロントローに並ぶ。
13:15号砲一発スタート。全長4.72㎞、標高差175mを5周回+ループのレースが始まった。落車や接触もなくエリート列車がアクロポリスの山に向かっていく。平野選手も問題なくスタートを切るが、スタートループに使われた幹線道路の海風を分散しようとするトップ集団の中に包囲され、シングルトラックの進入で絞られて25番手前後。そのままスタートループから1周回目に入った。
1周目。はやくもゼッケン1・2・4番が先頭パックを形成。それに牽引される20名ほどの列車が続く。AMATHUSの山に敷かれたアトラクションのレールを行くようだ。ブリヂストンの新しいウェアが見える。よりシンプルなデザインになったことで遠くからでも際立つため視覚にとらえやすい。平野選手の身体の動きもよくわかる。
2周目。集団はトップ3選手を容認せず、4~10番手の選手が引き合うように前を追う。その後方で平野選手を含む大集団が徐々にバラけはじめ、平野選手は前にあがれない。ハイスピードで展開される序盤、明らかに走りが重く、激坂で足をついてしまう場面もあったが冷静にレースを進めて行った。
3周目。トップ3選手は完全にレースを支配し始めた。3選手がけん制し合いながらラップを落ち着かせている。その後方は互いに自分のペースを譲らないためにシングルトラックで集団が伸び縮みし、前を追う展開ができない。平野選手は徐々に彼本来のよいテンポを取り戻していく。
4周目。このレースで優勝することになるKari選手(Austria)がトップにたつ。2位以下を大きく突き放し独走へ。平野選手はミスのない走りでひとりずつ前の選手をパス。17番手前後まであがっていく。
5周目。ラストラップに入ることを許されたのはわずか22名の選手。トップタイムがあまりに速いために、スウェーデン、ロシア、オランダ、スイスのエリート選手ですら生き残りに懸命なサバイバル。最後までプッシュしないとフィニッシュを迎えることができない。最後、平野選手はスウェーデン2選手の間に割り込みながらのスプリントでフィニッシュとなった。
キプロスでのUCIポイント獲得というチーム目標は達成できなかった。一方、ワールドカッパーがレースを支配する中でUCIクラス1レースを完走したことは今後の希望に繋がる内容。2018シーズンの沢山のサポートに感謝しながら、チームは挑戦的・攻撃的なシーズンを戦っていく。
日本からの多くの応援をありがとうございます。
TEAM BRIDGESTONE Cyclingは、もっと強く、もっと前に進みます!











2018年3月1日木曜日

W、TEAM BRIDGESTONE Cycling

2018年3月1日。
今日、TEAM BRIDGESTONE Cycling MTB2018は、長野県を拠点に新たな体制をスタートさせる。
沢田選手は最高の環境、モチベーションを求めて移住。今日からメンバー全員が長野県にベースを置き、ともに日本の頂点をとるため、東京オリンピックに向かう体制が確立された。
沢田選手なら、この移住が彼自身も知らない過去最強のサワダトキを発掘することになるだろう。平野選手はチームメイトでありながらも最高のライバルが常に近くにいることで進化の速度を緩めないはずだ。
New XR9。五輪マークがヘッドに奢られた初のバイク。ダウンチューブのロゴはANCHORではなくBRIDGESTONEとなり、オリンピックを見据えたデザイン。Newジャージとの相性もよくクールだ。見えないリファインも施され、熟成したバイクは選手に安心感と安定性を与えるに違いない。
いよいよ東京オリンピックに向けた国別ポイントの争奪戦が始まる今春。日本人UCIチームとして、BRIDGESTONEのワークスチームとして、世界を相手に挑戦していく。
応援を宜しくお願い致します!

3月キプロス、フィリピン、トルコ、オーストラリア
4月アメリカ、アジア選手権
5月八幡浜、ギリシャ、富士見
6月欧州
7月イタリア、トルコ、全日本
8月カナダ、アジア大会
9月世界戦