2017年4月27日木曜日

R、UCI-1八幡浜決勝

今期開幕戦となるUCI-1八幡浜国際MTBレースが終了。
結果、アンカーは沢田選手がエリート優勝(総合2位)、平野選手4位(総合5位)となった。
アンカーでの4年間、様々なレースを国内外で戦ってきたが、このレースほど悔しいレースは経験した記憶がない。
国内で初めてUCIクラス1となった八幡浜。これまで海外遠征しなければ獲得できない高配点のUCIクラス1のポイントが国内で手にすることが出来る好条件。来年に迫る4年に1度のアジア大会に向けて、UCIポイントの1点1点は非常に重い。それは選手もよく理解している。
レース当日は快晴。NHKのカメラはコースに散りばめられている。このレースに対してやれることは全て実践してきたので、チーム全員言葉にせずともポディウムを強く意識している。
何が起きても強い勝利への気持ちがあればいい。スタートからフィニッシュまで、納得のいくものであれば結果はついてくる。それが来月のアジア選手権につながる。そう伝えスタートを見守る。
号砲一発。平野選手が順調にスタート。しかし沢田選手はクリートキャッチミスか集団に包まれ、大集団がコースに消えていく。
フィードで選手を待つ時間は落ち着かない。機材トラブルなく戻ってくるか否か、何度レースを経験しても緊張感は変わらないもの。見えた。アンカージャージがトップ集団をコントロールするかのようにフィード前を通過していく。平野選手も沢田選手も想定の走り。
レースは6周回で競われるが、3周回までに小アタック合戦となり、ポディウム獲得の可能性がある選手が絞られ、4周回でアタックを決めた者が圧倒的に勝利へ近づくことを予想していた。
その予想を現実にしたのが平野選手だった。今日の彼は抜群に速い。CJ2菖蒲谷での走りから
2週間、平野選手のバイオリズムがぴしゃりこの日に山を迎えた。調子を整えてきた沢田選手や近年強い平林選手でさえ置いてきぼりのアタックは圧巻。バンク、プッシュは誰よりも速く、あっと言う間に20秒以上の差を開いていく。誰も止めることができないオーラを発しながら。。。
一方、沢田選手も懸命に平野選手を追う。ライバル数名のセカンドパックから飛び出し、とうとう最終ラップでアンカーは1-2体制を構築。
しかし、ここでまさかのトラブルが発生してしまう。平野選手が残り2.5㎞程で痛恨の転倒。機材にダメージを与えてしまい後続選手に次々抜かれていく。でも今日の彼には最後まで諦めない集中力があった。修正して追走する姿は強い平野選手のそれ。力強いダンシングもアグレッシブなダウンヒルも観客を魅了し続けていた。
沢田選手はようやく上がってきた平林選手を引き連れて最終周回に突入。中間アナウンスでもプッシュし続けている様子が伝わった。ラップを考えても、沢田選手も平林選手もフィジカルに余裕がなく、精神戦になってきている時間帯。たった1本のアタックの成否で勝利が決まる。
見えた。赤いジャージが先行しアンカージャージが後塵を浴びる位置。
勝利の女神はU23の平林選手に微笑んだ。
この光景は決して忘れない。こんなに悔しいレースはもういらない。
アンカーにライバルチームはない。我々の目標は明確。
さて行こう、次の戦いに。






2017年4月22日土曜日

R、UCI-C1八幡浜決勝前日

4月22日、今日はUCI-C1八幡浜の公式練習日。
チームはサポートスタッフも全員が集結し、明日のレースに向けて万全。
今回、アンカーはNHKワールドの密着取材で3名のカメラマンと共にコースインスペクション。NHK側は深い事前準備と理解ある取材姿勢で、選手とチームの活動に一切負担のない体制を整えていただいた。チームにとってはモチベーションにつながるカメラワーク。明日のレースに楽しみが倍増する。
今回のレースはUCI-C1。エリートにはシンガポール・ナショナルチャンピオンも参戦。国際レースらしい色がある。このレースで得られるUCIポイントは今季のワールドカップや世界選手権でのスタートグリッドに影響する。アジア選手権、全日本選手権に続く高配点のレース。しかし最も大切なのは、このレースをいつもの通りに粋よく駆け抜け、開幕戦として選手もスタッフも納得のいくフィニッシュをすることができるかどうかにある。その先にポディウムがある。
アンカーはこのレースで日本人UCIポイントランキングトップの平野選手が1番グリッドでゼッケン№5、昨年国内総合チャンピオンの沢田選手が10番グリッドでゼッケン№1。
コースはほぼドライ。山水で濡れている路面は午前中のファンレースで多少の傷みを帯びたが、明日の天気予報を鑑みてもドライコンディションで決勝を迎える。タイヤは思い切りプッシュできる銘柄をチョイス。
XR9は既にこのコースを知り尽くしており、どのバイクよりも速く駆け抜ける準備は万端。選手もスタッフもレース当日をシュミレートし、カメラのまわる中でのチームミーティングも笑顔が絶えない。
4月23日13:30スタート、6周回。
行くぞ、セイヤ、トキ!





2017年4月20日木曜日

R、UCI1八幡浜へ

いよいよ週末は国内シリーズの開幕、舞台は八幡浜。
ブリヂストンアンカーサイクリングチームは、2017年を万全の体制で迎える。多くのスポンサー、サプライヤー、ファンに支えられ、選手もスタッフもできることは全て行ってこの開幕に挑む。
2月、新宿で行われた大々的なチームプレゼンテーションの記憶。2017年はどするか、2020年に向かって何を目標とするのかを話した。
「アンカーは3年連続の日本最強チーム、総合チャンピオンを擁する体制だが、2017年はあえて基本に戻り、スキルからメンタルまであらゆる強化をはかる。国内外のUCIレースを軸に、2017年は全日本選手権、アジア選手権での優勝、2018年はアジア大会優勝、2020はオリンピック出場と躍動を目標とする」
3月のチームキャンプは八幡浜で行った。晴れ雨、曇りの天気をすべて経験した3日間。シェイクダウンしたNewXR9も進化し続けるXTRも機材は盤石。スタッフは4名体制と過去最強の布陣で2選手をサポートする。
2016シリーズチャンプの沢田選手も飯山での5日間合宿を終えて準備は整っている。平野選手もCJ2菖蒲谷以降、目標に向かってボジティブな毎日を過ごしてきた。
この開幕戦、選手もスタッフもレースを楽しめれば自ずと結果はついてくる。
NHKワールドが密着取材で同行となる八幡浜が楽しみでならない。
飯山の桜はこれから満開に向かうが、桜坂コースの花びらはファンファーレの舞い散りだろう。
強く進化し続けるアンカーを求めて。
さあて、アンカー飯山ガレージを出発。
応援宜しくお願いします!






2017年4月19日水曜日

R、全日本学生RRC飯山大会

4月15日(土)、16日(日)の2日間、11回目を迎えるJICF全日本学生ロードレースカップシリーズ開幕戦菜の花飯山ラウンドと2017菜の花飯山サイクルロードレースが飯山市長峰運動公園で繰り広げられた。
もう1週間もすれば、菜の花が目立始め、桜が大きく開花するだろう飯山の春。この2つの大会は飯山の春の風物詩になってきていると言われ、11年のオルガナイズの重みを感じる。
2日間、延べ380名を超える選手が飯山の特設サーキットで存分に走れる環境が整えられた。コースは完璧なクリア。地元の住民や企業の理解、飯山市の協力、スポンサーの協賛、ボランティアの支え、スタッフの連携、が飯山スタイルを生み出し、こうして2日間のレースが開催できている。
大会を誇張するプロモーションは一切実施しない。派手さはない。広報ですら限定的。でもレースの環境と品質を保つための体制はどの大会にも負けないはず。スタッフと機材はローカルだからと遠慮しない素晴らしい準備がなされる。
レースの状況はSNSなど多くの情報発信があるのでここでは述べないが、サイクルレース初参加の社会人、レース初体験の小学生、アンカー沢田選手、ドロワー竹内選手など、どのカテゴリでもサイクルスポーツを堪能できるプログラムはこれからも飯山の普遍スタイル。
学生連盟選手は2日間の飯山で一気にクラス3からクラス1への昇格を狙う選手、初めてのレースらしき選手、事情は分からないが復帰に意気込む選手もいる。それぞれのドラマがあり、この飯山に臨んでいる若者らしいエネルギッシュな姿は全力応援に値するそれ。
針湖池に写る残雪の美しい山々と蕾の膨らんだ木々に、カラフルな選手たちが駆け抜ける風景は美しい。アタックが繰り返される姿に興奮が続く。平和に時間通りにレースが運営されていく姿をオルガナイザーとして見ていると何故か安堵と嬉しさと祭りの終わりが近づくような寂しさを覚える。
一方、選手の大怪我を最優先にしない指導者がいたことに怒りを超えた無念さ、スポーツコーチングの本質の欠落を鑑みる機会もあった。
残念ながら、走行ミスによる落車のケガは、選手しか防げない。しかし、ケガは、負傷したからこそ見える自分自身や周りの支援、強く大きく復活するための烽火に変わる。是非、来年この飯山に元気に強くなって戻ってきてほしい。そう、1分1秒でも早く治し、新しい強い自分をつくってほしい。(このセリフ、昨年誰かにも言った気がする・・・)
TOKYO2020はすぐそこ。
この大会から全日本チャンピオンが生まれたように、ここから2020を躍動する選手が輩出されることを期待したい。
最後に、多くの協力者、関係者、スポンサー、スタッフ各位に感謝します。
アリガトウゴザイマシタ!!





















2017年4月10日月曜日

R、菜の花飯山サイクルロードレース

2017年4月15日(土)-16日(日)、第11回JICF全日本学生ロードレースカップ開幕戦(第1戦)菜の花飯山ラウンド、2017年菜の花飯山サイクルロードレース大会、が併催される。
昨年10周年を迎えたこの大会、延べ300名を超える選手たちによって、次の10年に向かって新たなスタートを切る。
基本的なコースレイアウトや運営方法は変わらない。しかし、それがより全体を進化させることが出来る原動力になる。10年間分のデータを解析しての環境制御や判断、リスクヘッジは選手の安全に大きく影響する。飯山自慢のモトチームも、会場設備も完璧な準備がされていく。
素晴らしいスタッフや献身的なボランティアによって週末の2日間はファンなものになるに違いない。
スポンサー各社もこのローカルに勇気と華を与え続けてくれている。ショッツ、フルマークス、SOTO、長野県牛乳普及協会(全農長野)、戸狩観光協会、神仏の鷲森、ブリヂストンサイクル。
でも一番のサポーターは地元住民の方々。農作業や春の活動が活発化する中で2日間を理解して応援してくれることに深く感謝したい。
今、首都圏は桜満開。飯山は咲き始めになる週末。
是非とも飯山の春とレースを見に来てほしい。







2017年4月6日木曜日

R、ケアンズ

1時間のパッキングでメルボルンを経由し、ケアンズ・ライフ。
今回はある重要な2つのミッションをこなすため、アパートを借りながら400㎞の距離をこなす日々。
4回目のオーストラリアは秋せまる週にあたる。しかも非常に珍しく、シャワーにまったく遭遇しない日々となった。(遠くで積乱雲からシャワーが見える場面は沢山あったけど)
秋と言ってもケアンズは年中熱帯特有の高温多湿。飯山との気温格差は25℃。慣れたケアンズ空港に到着するや、すぐにハーフパンツ・Tシャツ1枚に着替え、レンタカーの受付へ。
クルマの鍵を受け取り空港の外に出る。 「あーやっぱりケアンズ」。空も川も海も樹木も何となくケアンズの色と匂い。
昨年4月、ワールドカップ開幕戦のためここにいた。セイヤとトキと生活を共にしたあのアパート、いつものサブウェイ、興奮せざるを得ないフィーバーレース、コウヘイ君と一緒に食べたクロコダイルのディナー・・・。つい最近まで滞在していて、すぐに戻ってきたような不思議な感覚。
今回はレースコースとなるトーマスクック大学の裏山につながる国立公園(レインフォレスト)の調査。熱帯気候特有の浅い土壌、上下肢のバランスが日本と全く違う樹木草、聞いたこのない鳥の声、イエロースネイク、グリーンゲコ、素晴らしいユニバーサルトレイル。。汗だくになった身体はハーバーにある公共ラグーン(朝6時~22時まで解放、無料)でクーリングできる。運がいいと野生のペリカンにも会える。夏休み最後の週末だろうか、現地の若者は元気に遊んでいる。
ちょうど渡豪したタイミングで凶暴なサイクロンがQLD州を襲った。が、幸いケアンズはそれを逃れ、台風一過の快晴がもたらされた。そんな日はグリーン島に行かない訳がない。この島の植生も非常にユニークで素晴らしい。サンゴ礁でできた島に熱帯雨林の組み合わせ。島からケアンズ市内方面を眺めると遠くにキュランダなどの世界最古の熱帯雨林が見える。海はまさしくオパールグリーンとブルー。
一方、中心街から1時間も離れれば、アボリジニの方々が大切にしてきた場所がある。まるで北海道のような牧場風景を通り抜け、道端にカンガルーの亡骸も見ながらナビにない道を行く。やがて現れる未開発の熱帯雨林に足をすすめれば、樹齢500年以上のイチジクの巨木が凛と立っていた。100m先からでも木々の隙間から見える圧倒的な存在感は、崇拝されたろうオーラを誰でも感じるに違いない。
ケアンズは好きだ。自分の欲望や発想や力を圧倒してしまう。「そんなに小さくてどうする?」
と問いかけてくる。「もっと出来るだろ!」とプレッシャーをかけてくる。反面、「まあ、リラックスしていきなよ。裸の自分を隠さずにさ」と。
今年9月に世界選手権が行われるケアンズ。
行ってきます日本へ。