2017年5月28日日曜日

R、CJ1富士見

CJ1富士見パノラマが終了。
結果、優勝は前田選手、2位恩田選手。アンカーは沢田選手が3位、平野選手4位。近年では最長場と言える8周回、約2時間に及ぶ厳しいレースに充分な対策を図ってきたアンカーチームだったが、2人でポディウムを埋めることはできなかった。
このレースは2017年全日本選手権の会場となる富士見パノラマスキー場ということもあり、7月の決戦を意識し、今ある課題を明確にすること、自分に納得のいくフィニッシュをすること、を最大の目的として挑んだ。
金曜の雨、土日の高温、硬い路面と暴れやすいパンプ、すべるロックセクション。短期間で富士見の多彩な表情を見ながら2選手は順調に試走をこなし、決勝に備えた。
レース当日は快晴。木陰に吹く風は5月の高原らしく涼しいが、直射が強く、選手にはクーリングが重要になる。
号砲一発、落車なくスタート。最前列の平野選手と沢田選手はスタートダッシュに成功した平林選手の背後からトラブルなく林間セクションに侵入していく。このコースはトップ10に位置していなければロックセクション等での渋滞にはまり大幅なタイムロスとなる。アンカージャージが順当に先頭パックにいることを見届け、急いでフィードゾーンへ。毎周回のフィードはフル体制で、各チームはラッシュ状態のフィードゾーンでチームの垣根を越えて譲り合いながら選手をサポートする。アンカーはいつもように軽いジョークを飛ばしながら連携してフィードを整える。
1周回を終え、選手が見えてくる。平野選手、沢田選手、前田選手、平林選手、恩田選手といったいつものポディウムを争うメンバーが先頭パックを形成し、既に6位以下に10秒以上をつけて2周目へ。5名のパックは先頭交代しながら3周目に入る。ここで平野選手がクライム区間で一気に先頭に出る。パワフルな平野選手らしいダンシングに観客がわき、パックのスピードも更に引き上げられていく。ここで沢田選手がパックから遅れだし、平野選手、前田選手、平林選手、恩田選手が駆け合いながらレースを支配。
4周回目、林間から最初に現れたのは前田選手、平林選手、恩田選手の3名パック。遅れて平野選手、更に遅れて沢田選手。この時点でアンカー2選手と3名の先頭パックとの差は25秒に広がっていた。平野選手の動きに切れがない。呼吸は落ち着いているが、トルクフルな走りがスポイルされている。一方、沢田選手が後続選手を振り切り、ダンシングを多用しながら上がってきた。フィードからは、アンカー2選手にパックになって先頭を追うよう指示。
5周目、前田選手と恩田選手の二人が安定したラップを刻む中、平林選手が遅れ始めた。アンカーは沢田選手は自身のファストラップを出しながら4番手に上がり、平野選手は5番手に下がる。6周目、前田選手がアタックを繰り返し、恩田選手をジリジリと引き離しに入る。沢田選手はペースダウンした平林選手を一気にパスし、オーバーペース覚悟で先頭を追いかける。平野選手もガマンの走りを強いられながらも4番手に上がる。
7周回、前田選手は恩田選手から大きくリードしファイナルラップへ。沢田選手は最後まで勝負をあきらめずに恩田選手を追い、平野選手も懸命に前を見る。
最後まで、フィニッシュするまで勝負が決まらないのがレース。どんな状況、どれだけのビハインドでも最後まで攻め続けなければチャンスはない。
8周回、前田選手が最後まで強さを魅せながら2位以下を大きく引き離してフィニッシュ。2位恩田選手に続き、沢田選手、平野選手がそれに続いた。
五月晴れの中、多くのサポーターに支えられ、たくさんの声援をいただいた。チームとして求めるべき成績ではなかったが、この富士見での結果と課題は、全日本選手権で勝利するために必要だったのだと振り返る時が来るよう、残された日々を強く、無駄なく過ごしたい。
スポンサー、サプライヤー、ファン、多くの皆様、熱い応援をありがとうございました。








2017年5月22日月曜日

R、UCI-C3勢和多気

5月21日、国内3戦目となるUCI-C3勢和多気が終了。
結果、平野選手が3位、沢田選手が4位。
このレースは国内にいながらUCIポイントを獲得できる貴重な大会であり、チームは1-2フィニッシュによる最高点の獲得を目標として臨んだ。 UCIポイントは獲得できたが、目標を達成することはできなかった。
酷暑と汚染された空気、アウェーのストレスの中で行われた中国でのアジア選手権からわずか1週間。でもアンカーの2選手は大会2日前に会場入りしてのリカバリーライド、前日に機材セッティングを含む試走、といつも通りのルーチン。
海外遠征の多い我々にとって、この短期間の大移動や体調管理、機材セッティングはいつものペース。気負いや特別なことは一切ない。
アジア選手権から本格投入となったSRSUNTOUR AXON CarbonもXR9との相性が非常にいい。 2年前にアンカー3選手全員がタイヤトラブルに見舞われた苦い記憶も全て対策済。あとは選手がこの勢和多気独特の流れを遮るバラエティーに富んだコースレイアウトで、誰よりも速くノーミス、ノートラブルで走り抜けるだけだ。
スタート13:30時点で30℃を超える真夏日。6周回で争われるレースは、充分に回復していて、暑さに対応する身体とレース中のクーリングが大きく影響する。チームは2か所のフィードゾーンに大量の氷と飲料を用意し、半周回ごとに選手の要望に応える体制を整えた。
スタート前のオーダーは「ケガはしないこと。(ポイントをしっかり獲って)一番はやく帰ろう」
号砲一発、いつものように平林選手(スペシャライズド・レーシング・ジャパン)が勢いよく飛び出す。 1周目から一列棒状で3名に満たない小さなコロニーが形成され、2周回目には前田選手と沢田選手の2名が集団から抜け出し、後方と20秒ほどのマージンを得ながらファストラップを出してレースを支配。
しかし、このランデブーは4周回目で終わりを告げ、昨年の好調な状態にまで達していない沢田選手は前田選手から後退。 次々と後続の選手に抜かれてガマンを強いられる走りとなった。
一方、スタートから3周回目まで動きがとまっていた平野選手がようやく目覚めてくる。4周回目にはファストラップを出し、沢田選手を抜いてポディウムを捉える位置にまであがってきた。
5周回の時点で前田・恩田・平野の順。しかし平野選手と前田選手の差は1分以上。残された周回距離を考えると、全ての可能性を信じ、決してあきらめない走りをするしかない。
ラストラップ。平野選手も沢田選手も前だけをみていた。踏み直した沢田選手は4位まであがり、アンカーのホワイトジャージが最後のセクションに消えていく。
最終コーナー。最初に立ち上がってきたのは前田選手、続いて恩田選手。平野選手は後半の猛追及ばず3位、沢田選手は4位でフィニッシュとなった。
このレース、アジア選手権代表選手は総じて体調不良に悩み、DNSやスキップする選手もいた。しかし、アンカーはその影響を理由にあげることはしない。
沢山の応援やサポートに感謝し、この先の頂に向かって常に全力で戦うのみ。
次戦は今週末のCJ1富士見パノラマ。7月の全日本選手権の会場となるコース。
応援をよろしくお願いします!








2017年5月17日水曜日

R、第23回アジアMTB選手権

第23回アジアMTB選手権、第9回アジアジュニアMTB選手権が終了。
ポディウムは、エリート男子DHI1・3位、ジュニア女子XCO1位、XCR(リレー)2位、合計メダル4個の成績となった。
XCOでは、アンカー平野選手が日本最高位の6位、沢田選手はそれに次ぐ9位。目標であるポディウムを埋めることは叶わなかった。
一方、UCIポイントの少ない開催国の中国選手がXCOポディウムを独占。地元の利を大いに活かし、マジック的な強さで国旗を揚げた格好だ。
誰かに悔しいかと聞かれたら、悔しいと応える。希望はないのかと聞かれたら、希望に溢れていると応える。そんな中国Xuancheng Cityでの選手権は、乾き、暑さ、暴風雨、PM2.5、空港トランジットでのトラブル、ロストバゲージ、大会運営情報の少なさ、オルガナイズの曖昧さ、不可解でスポーツマンシップを信じるほどに失望する時間。
言いたいこと、疑うこと、ストレスは山ほどあるけど、今言えることは、2018年は必ず勝利するということ。どんな不利や不満や不正があったとしても、それに負けない圧倒的な強さがあれば勝てるのがレース。そして、アンカーの2選手にはアジアチャンピオンへの道が明確に示されている。3人で共に過ごす長時間の中で、既に2018年に向けたスタートを切った。
日本は他国に負けない最良のチーム体制を構築した。中国では貴重な氷を入手し、飲料水も十分に確保。バイク機材は完全準備。走り終わった選手はDHI、XCO関係なく皆で協力しあった。何より、アンカーをサポートするために上海から駆けつけてくれたSRSUNTOUR中国WU氏の献身的な協力は、全ての日本代表選手をスタートさせる力になった。早朝から夜まで選手と機材を何度運搬してくれたろう。テントの保守も完璧だった。
また、ブリヂストン中国からも半日かかる距離を応援団が駆けつけてくれた。日本語での応援は、アウェイの中で選手のモチベーションをどれだけ引き上げたことだろう。
そして、日本代表スタッフに求められる目的はただひとつだということも確信した。選手のために何ができるか。命を削って走る選手を守るために勇気をもって。
自分本位の目的や自慢話や武勇伝が必要なら個人旅行がいい。裏事情は何言わずも選手の最高のモチベーションにつながればいい。声かけずとも選手が自然に集まり信頼し合える存在にならなければいけない。日本にいる時、ライバル同士で国内を戦う時も大切なのは選手のために行動すること。笑顔が交信すること。
人の想いと沢山の応援があり、こうして今日があること、多くの出会いに深く感謝したい。
いつものフレーズを思い出した。
イツモイキヨク、ペダルヲマワセ、マエニ、マエへト、ペダルヲマワセ!
今週末は、UCI-C3勢和多気。国内第3戦。




















2017年5月7日日曜日

R、CJ1朽木決勝

今季CJ1第2戦、朽木が終了。
結果、アンカーは平野選手が5位、沢田選手が7位。
自分がアンカーに就任して以来、表彰台を逃した記憶のない国内シリーズだが、この結果は選手個人としては自身に悔しさが残るかも知れない。
でも、このレースで選手に求めたチームオーダーは、来週のアジア選手権でのポディウム。キツい登坂とコンパクトで変則的な下りの朽木のコースでは、ケガなく、来週末にベストパフォーマンスを出せるための走りをしなければならない。このレースに勝つことが目的のチームと選手には申し訳ないが、結果は意味のある走りの先にあり、順位は重要ではなかった。
フロントフォークは空輸間もないAXON WerX carbon 2017をシェイクダウン。タイヤは最新ロケットロン2.25。駆動系はグリーンドライブの添加量をテスト。メタルパッドもチューニング。アジア選手権で勝つための仕様をこのレースで実践テストし、データを収集した。
一方、このレースでアジア選手権代表メンバーは総じて身体が重かった。やはりアジア選手権への意気込みだろう。ボリュームのある練習が続き、疲れを隠せない走りが目立った。
いつもは積極的な交流をしているとは言えない若手選手たちも、ナショナルチームの意識が働き始めたのかアンカーテントにいつの間にか集合していたり、情報交換や挨拶も交わされた朽木。きっとよいナショナルチームになるだろう。
連休最終日は渡航準備とビジネスフォローで全くの余裕なし。。
明日は都内でNHK取材と収録。
アジア選手権、XCR決勝は5月12日(金)9:00~、DHI決勝は13日(土)15:30~、XCO決勝は14日(日)10:00~。









2017年5月2日火曜日

R、パッション・ライド

黄色、白色、青色、桜色、桃色。
いま1年で最も色彩の豊富な飯山。五月晴れならそのパッションは一段と増す。
信越トレイルを見渡せば、鍋倉山周辺は真っ白な残雪で光っている。ゆったり流れる千曲川は青空を写したディープブルー。桜はまだ真っ盛りの木も残っているし、桃の木も満開。そして菜の花は週末の満開に向かって1秒ごとに花を増やしている。
いつものコンディショニングロードは、菜の花がガードレール役、路面の表示はタンポポがつとめている。
XR9でホームグランドを行く。ビジネスもアジア選手権の準備も今週のCJ1朽木も控えたタイトな日でも、天気は走れ、走れ、と言っている。
飯山の春は自分の知っている世界のどんなローカルよりも美しい。農作業中に出会ったシカゴから来たフルバックランドナーの二人も言っていた。
「信じられないカラー。夢のような風景。とにかく美しい。君は世界一幸せな場所に住んでいる。」
パッション・ライド、飯山に是非!!