2016年12月31日土曜日

T、20161231

2016年もあとわずか。大晦日といっても特別な行動をする日ではなく、今日も仕事とバイクと地域の作業をいつものように。
ラストランはいつもの風景の中へ。
自分はPCに残す保存ファイル名に必ずその期日をあらわす数字をつけている。「161231」とキーを打つことでファイルに残した記憶を時に刻む。そして、もう二度とこの数字を入力することが出来ないのだなとはじめて大晦日を思う。
2016を振り返ってみる。
1月、雪のない飯山からスタート。2月、幸平君と共にキプロスの激しいステージレースを戦った。3月、チームはトルコ合宿とUCIレース。4月、JICF#1レースを開催、ワールドカップ開幕参戦と国内CJ開幕。5月、アジア選手権で幸平君が8連覇、自分は初の熱中症。6月、世界選手権のチェコでトキが大怪我、星矢の破損サドル交換10秒でRedBullTVに。7月、星矢が全日本2位、トキ欠場。8月、リオ・オリンピックに選手を送り込めなかった悔しさと2000㎞の巡業。9月、トキがエリート初優勝で復活。10月、チームがシリーズチャンプに大手。11月、最終戦でチーム・個人とも国内3連覇達成。12月、飯山CXを開催、そしてトキが2016シクロクロス全日本チャンプに。
これまでで一番長いシーズンだったかもしれない。
精一杯真っすぐに、純粋に前だけをみて走ってきたと思っていた道が、振り返れば曲がりくねっている。途中で転びそうになったり、リカバリーしたり。。でも2016をこうして活動できたことを心から幸せに思う。
支えてくれたすべての方に感謝したい。
さあ、もうすぐ2017。
ワクワク、ドキドキするTRKWorksの2017シーズンを見ていてください。
アリガトウゴザイマシタ!!








2016年12月29日木曜日

T、オリジナルの自分

全日本シクロクロス選手権の閉幕から随分と空いてしまったブログ。文字通り師走の毎日。
全日本CX決勝の翌日からブリヂストンサイクルと来季体制について打ち合わせを行い、スポンサーをまわり、2017選手契約とアンカーチーム体制の整備に入った。
間もなく東北に向かってビジネスウィークを過ごし、地元の会議や講演、パーソナルスポンサーとの打合せ、講習会、チームサプライヤーのパーツチェック、国内海外遠征の手配、忘年会・・・・・。
毎日毎日、多くの人と異なる関係性で接するため、自分が何重人格にもなっているような、薄くなっていくような気分。なので、12月は天候と路面にチャンスがあれば、わずかな時間でもバイクを走らせることにしていた。
やっぱり自転車は魔法の乗り物。たった30分間でも、オリジナルの自分を取り戻すことができる。そこから気付くシンプルな答えが次への閃きに変わる。
どうやらTRKWorks活動に仕事納めはないらしい。
分かりました。
大晦日と元旦を貫きます!2016はあと2日!


2016年12月11日日曜日

T、全日本シクロクロス選手権決勝

第22回全日本シクロクロス選手権大会が終了。
結果、エリートとして初めて全日本を走るアンカー沢田選手が優勝。小さな頃から目指してきたナショナルチャンピオンの称号を手にした。そして、アンカーとしては辻浦選手以来のチャンピオンジャージ奪還となった。
2位は弱虫ペダル前田選手、3位はブリッツェン小坂選手。
アンカーは先週行われたシクロクロスミーティング飯山大会に続き、この選手権は沢田・鈴木の2名の選手がエントリーし、スタッフはMTBとロードのハイブリッドフル体制。今できる最高の準備でこの日を迎えることができた。
飯山から宇都宮にバトンした全日本選手権の会場となった道の駅宇都宮ろまんちっく村は、室内プールや温泉施設や直売所もある大型保養施設をもつ広大な公園。芝生広場と隣接する林とドックランエリアなどを組み合わせた勝負所の少ない3kmスピードコース。しかし芝生のキャンバーにS字を描くようなレイアウトがされたり、芝生を高速スピードで流れないように細かいコーナーを多用するデザイン。砂場も設けられ、全体的に素直に流れない細かい杭打ちがされており、ストレスを掛ける場所が多い。
昼過ぎに日陰になる斜面の芝生の根はあまり深く伸長しておらず、レースが重なるとルーズマッドが露出し、粘質の土壌と相まってペダル詰りもある厄介な状況が予想された。案の定、エリート前のレースでコースが徐々に荒れていくが、当初からこれを予想したレイアウトになっていないのか、すべての選手からリズムを奪っていった。
沢田選手とは最後までタイヤの選択を話し合った。でも答えは簡単。今の彼の力ならタイヤの選択を誤ることはない。どのタイヤでもパフォーマンスが出せるからだ。マッドでもドライ系並みのスピードでライバルを翻弄できる速さがあるし、ドライでもマッド系に劣らない技術とアイディアがある。
それに前日、彼といつもと変わらない夕食で話したことはこうだ。
「明日は勝つのではない。どうやって一番楽しい時間にするか。」
「気負うことなし。失うものなし。怖いものなし。」
「一緒に楽しもう! エリート1年目を楽しむ。」
沢田選手はこれを大勢のギャラリーの前で60分間実行してみせた。スタート間もなくペースの上がらない竹ノ内選手をパスしてレースを先行し、小坂選手と前田選手を後ろに従えノーミスで安定したラップを刻んだ中盤。指示通りのスムーズなアタックと自分に集中した走りの後半。見る者に強さを表現する走りは、最終周回まで続いた。
アンカージャージがガッツポーズでピット前を駆けていく。何度も拳を挙げる。
こんなにも幸せでワクワクする60分間に感謝したい。
そして2016年12月11日を一生忘れないと思う。
トキ、おめでとう!
監督として、メカニックとして、コーチとしてではなく、トキと共有できたこの時間は本当に楽しかった。同時に愛情にあふれた素晴らしいスタッフに恵まれたことにも感謝したい。
スポンサー、サプライヤー、ファンの方々に深い感謝を。
この大会のために尽力いただいた多くの方に敬意を。
応援していただた全ての方々に日本一を報告します。
アリガトウゴザイマシタ!!














2016年12月5日月曜日

T、飯山シクロ・デイ

シクロクロス・ミーティング飯山大会2日目。
結果、カテゴリー1は、アンカー沢田選手が圧勝。
今日も快晴の朝からスタート。霜がおり、昨晩のナイターで路面がルーズになっている。サンデーレースに合わせ、土曜試走をこなした選手にとっては、まるで異なるコースプロフィールに変わっている。プロ選手はいつもよりも早い時間帯にコースウォークを行い、入念にポイントチェック。そう、飯山のコースは人工的な手を加えず、自然に現れてくる事象を計算して泥区間やルーズタッチ、スリップラインを醸し出すようにしているため、スタート直前までのコンディションの変化を予想できる能力がないとレース中の走り方に影響が出る。
フィジカルやテクニックの差もあるが、こうした情報処理能力が問われる競技がシクロクロスの醍醐味でもある。
このコースは5年前と比べて面積は一緒だが、距離は500m延長している。杭数でも昨年の全日本選手権より50本多く使用し、流れを失わないようコーナーとキャンバーを増設した。土壌に伏流水のある区間をあえて多用して深いマッドも増やした。よって過去もっともラップを要する内容に進化させている。飯山をよく知るライダーも多かったと思うが、よりイヤラシイコースを堪能してもらえたと信じている。
カテゴリー1には来週の全日本選手権に出場するアンカー2名がエントリー。鈴木選手は1日目のナイター(3位)に続いての出場。沢田選手は全日本選手権に照準をおき、2日目に集中。大会メインサポートのブリヂストンアンカー選手2人は、あらゆる条件の整った飯山を攻略することでナショナルチャンプを獲得するために飯山のスタートに立っている。
レースは1周回から沢田選手、鈴木選手、スワコ小坂選手らの先頭パックにメリダの竹内選手と、エリートライダーが鎬を削る。シクロクロスの先頭パックで複数のアンカージャージが躍動した。
その中でもやはり沢田選手はパワーとテクニックが秀でていた。スタート直後に先頭にたち、誰の背中も見ずに自分のラインを高い精度でクリアしていく。CX6がアグレッシブに強く駆け抜けていく様は誰が見ても明らかで、他の選手にプレッシャーを与えるに十分だった。
飯山での最終合宿とあわせてコンプリート。今ある力と自信をしっかりと表現して、誰よりも速く両手を挙げてフィニッシュした。
前半は大きく遅れていたメリダ竹内選手が息を吹き返して追走し2位、スワコ小坂選手は土曜ナイターでの激走の疲れを負いながら粘って3位に。アンカー鈴木選手は表彰台こそ逃したが、自分にできるレースをこなしてフィニッシュ。
表彰式。
ここまで飯山大会を支援してくれたスポンサー各社の賞品が授与されていく。フルマークス、ショッツ、SOTO、IRCタイヤ、ブリヂストンサイクル。飯山のようなローカルレースに快く協賛してくれた各社に感謝しつつ、表彰式での選手とそれを見守る観客の笑顔が好きだ。そして、祭りの終わりが近づいてきたことに寂しさも覚えながら拍手を送る時間は何とも言えない。終わりたくないような、終わりに安堵するような。。
大会スケジュールは定刻に終了。同時に審判もコースマーシャルもボランティアもすべてのスタッフが総出で撤収作業を手伝ってくれた。杭抜き、テープ回収、路面掃除、テントたたみ・・・。一人じゃ何もできない自分がここにいることを強く感じる。
県外から有給休暇をとって3日間も支援してくれた人がいた。家庭を犠牲にして来てくれたスタッフがいた。もう数週間休みのない人もいる。熱があるのに無理をしてくれた人。友達との約束より優先してくれた人。誰よりも早く会場入りして準備してくれた人。黙って先回りして作業してくれる人。他に何か出来ることがないかを聞いてくる人。
レースをオルガナイズするたびに思う。
人の優しさと愛情でレースが成立すること。
お金で解決しようとした瞬間にTRKWorksのオルガナイズではなくなることを。
アリガトウゴザイマス!!
また飯山でお会いできたら幸せです!