2019年8月25日日曜日

O、Asia MTB series Malaysia UCI-C2

暑い日本から、暑いマレーシアに移動。アジアMTBシリーズ、UCI C-2XCO大会に参戦するため、インドネシア国境に近いクチンに来ている。
結果、平野選手が準優勝、沢田選手が4位となった。

来週はカナダで世界選手権が行われるが、チームはシーズン後半の海外遠征の本格スタートをここに定め、来月からは再び欧州を転戦する計画。
日本でのCJ白馬から更にトレーニングを重ねているので、選手個々の課題解決を期待してレースに挑んだ。
併せてコスト問題と現実的な成績を鑑み、カザフスタン・ナショナルチーム、東南アジア各国のナショナルチーム、日本のCJトップ選手たちも集っており、コースレイアウトと共に簡単なレースにはならない。

レースは暑く天気の変わりやすい日曜の14時定刻。4.2km×7ラップ。8ヵ国47名のエリートライダーが一斉にスタート。平野選手、沢田選手共にペダルキャッチミスなく、先頭パックで順調にコースインした。
このコースは道幅が狭く、芝生も高めで、路面の不規則な凹凸が激しい。ベースが赤土で根っこも多く登坂が急なため、一度雨が降ればあっという間に性格を変える。
平野選手はリスクを承知で低圧化したドライタイヤを選択した。全日本選手権と同じ仕様だ。一方、沢田選手は降雨時のリスクが少なく、癖がないニュートラルなタイヤを選択。同じチームライダーだが、走らせ方も考え方も違う。
沢田選手は予告通りホールショットを狙いに行き、コース中盤で先頭に立って1周目を積極的に攻めた。集団はあっという間に一列棒状。沢田選手が速いレースペースをつくり、カザフスタン、平野選手ほかが続く。
2周目、先頭にたったのは平野選手。セカンドパックを崩壊させる程の速さで加速していく。沢田選手はライバルたちに混じりながらそれを追う展開。
3周目、先頭の平野選手は順調にライバルたちとの差を広げていく。この時点で多くの観客やスタッフが平野選手が逃げ切れると話す程。それをカザフスタンや他のライバルたちが追いかける中、沢田選手はペースダウンしセカンドパックから脱落。
4周目、平野選手の体調がおかしい。息が苦しくなりペースダウン。3位に大きく後退してしまう。掛水でクーリングし回復を待つ格好に。沢田選手は前後の選手との差が開き、ガマンの5位単独走行になる。
5周目、平野選手は徐々に復調し、ペースアップ。20秒程の差をあっさり縮め、すぐ前の先頭パックに迫った。沢田選手は諦めずに前を追った。このレースで彼に課したのはこうした場面で出し切る強さ。4位にあがる。
6周目、平野選手は2位にあがり先頭争い。プッシュを繰り返し、このレース最速ラップを叩き出して先頭との差をぐんぐん縮めていく。沢田選手もペースアップ。見えてくるライバルの背中を追い、終盤ながらリズムも良くなってきた。トルクフルなペダリングで3位も見える位置に。
7周目、平野選手は先頭に数秒まで迫り一騎討ち。しかし、ここで雨が降ってきてしまう。痛恨のミスで脚をつき、その差を広げられてしまう形で2位フィニッシュ。沢田選手は前周回より更に10秒近くラップを上げるが3位の選手を捕らえるには遅かった。4位でフィニッシュ。

クチンはクアラルンプールから2時間弱のフライト。インドネシアの隣接地で、過去から日本企業の進出が多く、現地の人達に日本語は馴染みがある。ありがとう、どういたしまして、すみません、こんばんは、と話してくる。我々も英語だけでなく、現地の言葉で話す努力が必要だろうと痛感する。やはり海外で母国語が聞けるのは嬉しいものだ。

この大会は想像よりも遥かに大きな規模であった。オルガナイズはアジア選手権に劣らない。空港送迎やレース会場への輸送、ウェルカムディナーショー、名前入りゼッケン、全周回のコーステープ、扇風機付きのレース会場本部。。オフィシャルホテルは各国に数量限定とは言え、選手はフリー。クチンの行政トップも挨拶に来てのチームプレゼンテーション。
狭幅で路面の凹凸が激しいコースレイアウトへのウンチクもあるかも知れないが、これだけの準備がアジアで行われ、日本人として、アジアを代表するUCI MTB チームとして参加するには、しっかりと礼儀を尽くす必要がある。
メカルームやロビーでは各国スタッフと喜楽を分かち合い、レース会場では情報交換と握手が続く。ブレックファーストは重要なコミュニティーだ。
驚くことに、皆、我々チームがどのような状態でレースを戦っているのかをよく知っている。世界的なMTBの状況から想像しているのか、これからもアジアを代表するチームとして世界に挑戦し続けて欲しいと何人に言われたことか。
レースの結果は重要だが、それと同等にプロフェッショナルチームとしての行動と、存在意義をアジアの仲間からも強く感じ取ったことも事実。全てが勇気とモチベーションに変わっていく。

日本から沢山の応援をありがとうございました。チームは一時帰国し、万全を期して来月からの長い海外遠征に挑みます。











2019年8月17日土曜日

O、SunFlowers Iiyama

向日葵が満開の飯山。
春は菜の花の黄色、夏は向日葵の黄色がここを飾っている。
菜の花はアブラナ科であり、長期の連作は好ましくない。それを異科作物の向日葵を夏に差し込み、楽しみと土壌改良を兼ねている。
春と違い、特に大きなイベントはないが、連日多くの観光客や地元の家族連れがピクニックに訪れている。
残雪がすっかり消え、夏の強い日差しに凛と立つ山々も美しい。千曲川は温度と微生物の影響でエメラルドグリーン。(かちょっとブラウン・・・)
畑はアスパラガスの茎葉やズッキーニ、小菊が風に揺れている。枝豆も最盛期。
一方、海外遠征が続き、どうも自分の体調は芳しくない。こんなときはビジネスを忘れ、レースを忘れ、MTBで家を飛び出すのが一番の特効薬。
どうだろう、夏の飯山に。
Welcome!









2019年8月12日月曜日

O、Coupe du Japon Hakuba international UCI C- 3

アジア選手権から帰国し、チームはTV撮影や取材、わずかなオフをとって2019年の国内後半戦となるCJ白馬大会(UCI-C3)に参戦。

結果、平野選手が準優勝、沢田選手が5位となった。
レバノンの暑さとは全く異質の日本の猛暑。湿度がこんなにも高いのか、と海外ベースの身体がある種のアレルギー反応のようにこの環境から逃避したがる。
日本の夏。多くの観光客が長野県に集まり、このレース会場周辺も家族連れのキャンパーや仲間とのツーリングなど、白馬山麓を楽しむ人たちで賑わっていた。
チームは今シーズンの2つのビックレースを終えたが、来季に向けて、白馬のUCIレースからシーズン後半をスタート。チームのリザルト目標はワンツーであるが、それより大切なのは選手が残りのシーズンを再び最高の状態でレースを戦えるようにすること。海外からのインビテーションを断り、選手の自宅から最も近い白馬大会をそのスタートに選択した。

白馬のコースは例年通り。レイアウトは単調で、砂利の登りと森の中の短いシングルトラック、平坦のグランド周りといったハイスピードなコース。テクニックの差は出難く、フレッシュな状態で、かつ暑さへの順応ができていないと辛いレースになる。また、このレースの前週までは毎日のように激しい夕立があり、3日間程度の晴れでは林の中の路面は完全には乾かない。一方、日中の日差しの届く場所は超ドライ。レース当日も朝からどんどん気温が上昇した。

 14:00定刻。最前列に平野選手、沢田選手が並ぶ。日本人UCIランキングでは彼らは2・3位であり、このレースの主導権をもってグリッドについた。号砲一発。6周回の熱いレースが始まる。各選手はアスファルトならではのスタートダッシュをみせ、砂利の登坂へと向かった。
ファストラップ序盤の登坂、先頭は平野選手・沢田選手という理想のポジション。林の中のシングルに入る段階で既に先頭集団は5人。ペースはかなり速く、このスピードに追随できる後続集団はなく、どんどんと距離が空いていく。
この先頭争いで両選手とも抜け出たいところだが、平野選手は腹痛を伴いペースが上がらない。沢田選手は抜け出た先頭選手を容認してしまい、先頭と差を広げられ、セカンドパックで2周目へ。
2周目。沢田選手がプッシュを繰り返し、再び先頭の背中を捉えるがどうしてもパックから零れてしまう。平野選手の体調はやはり芳しくなく、ボトルの飲料さえ口にしない。沢田選手4位、平野選手5位、の位置で単独走行となった。

 3周目。平野選手が前周回を1分近く短縮するファストラップを叩き出し、あっという間に沢田選手に追いつき、そのまま前に出て3位に浮上。一方、沢田選手はそのハイペースに対応できず、更に4位の選手からも遅れていってしまう苦しい展開。

 4周目。平野選手は一旦ペースを落ち着かせて体調を鑑みるが、やはり改善していない。掛水で体温を安定させながらガマンの走り。沢田選手はこの周回で大きくラップを落としてしまうが、諦めずにプッシュ。4位を追いかけた。

 5周目。先頭争いは2選手。誰もがこのワンツーが決定的だと思ったに違いない。トップから2位まで30秒弱、3位までは1分以上ある。しかし平野選手は諦めていなかった。再びプッシュし、2位の選手の背中を遠くに見れる位置まで上がってきた。沢田選手はペースアップを試みるが前との差は中々縮まらない。前後の選手が全く見えないために苦しい展開が続いた。
6周目。平野選手はこのファイナルラップでレース最速ラップを叩き出す。あっと言う間に2位の選手をかわし、先頭まで10秒程の位置まで上がってきたが、わずかに届かず2位でフィニッシュ。沢田選手は集中を切らさず前を追い、4位の選手との差を縮めながら5位でのフィニッシュとなった。
お盆が過ぎ、いよいよ秋季ステージ。チームはマレーシアでのアジアシリーズを皮切りに、再び海外UCI遠征へと向かう計画。
応援していただいているスポンサー、サプライヤー、ファン、家族、関係する全ての皆さんに感謝し、我々TEAM BRIDGESTONE Cyclingは更に強く、最高のシーズンファイナルへと進みます。
ありがとうございます。





2019年8月9日金曜日

O、Iiyama High School

母校、飯山高校野球部の初の甲子園。開幕4日目の第二試合。
暑い真夏の11:20のサイレン。飯山市内は人出が少なく、応援のぼり旗があちこちで揺れている。市民会館では満席のパブリックビューイング。
昨晩出発した70台の大型バスの大応援団が甲子園のスタンドを真っ白に埋めていた。
対戦相手は仙台育英高校。どんな試合になろうとも、この甲子園に立っている選手たちの姿を見るだけで勇気が湧いてくる。これはスキーでも一緒。学生スポーツの素晴らしい空気感は画面を通じても伝わってくる。
1点先制。それを仕事で移動中のクルマの中で知る。1時間のミーティングを済ませ次の仕事に向かう途中、目の前にヤマダ電機。自然にクルマを向けていた。
並んでいるテレビの画面は全部飯山高校。ゲームセットのサイレンが鳴った。
20:1。完敗。相手は手を抜くことなく、その強さを充分に発揮した結果。後輩たちの眼に涙は見えない。
7か月ほどしかグランドが使えない豪雪地域の飯山。公立高校であり、地域出身の生徒たちで構成されるチームに地元の愛情と思いはとても深い。
グランドの雪片付け、雪上での練習。野球には絶対的に不利な環境もプラスに変えてきたチーム。これからも雪国代表として、飯山の野球児として、この夏の日が後輩たちにずっと引き継がれ、また再び甲子園に戻るに違いない。
飯山高校の後輩たちよ、ありがとう!